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【日本プロ/記者会見】地元中部で活躍するベテランプレーヤー桑原克典が大会コースセッティングアドバイザーに。大会の見どころをお伝えします

2024年07月03日
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「メンバー数も多く、メンバーに愛されてみんなが大切にしているという印象がとても強く、日本プロという歴史ある大会に相応する素晴らしいコースです」と大会コースセッティングアドバイザーの桑原克典は胸を張る。日本プロの開催が5年前に決定して以来、チャンピオンンシップに相応しいコースセッティングを目指し、3年前から構想に携っている。「コース設計家として名匠の上田治先生の創ったポテンシャルの高いコースに、より磨きをかけてここまで仕上げていただきました」と自信をのぞかせた。実は自身も大学生の頃にメンバーとしてラウンドを楽しみ、チャンピオンコースでプロへの道を目指していたという縁がある。

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開催コースである「富士可児(フジカニ)」と呼称される富士カントリー可児クラブ可児ゴルフ場志野コースは岐阜県にあるゴルフ場で、中部地区に属している。その中部地区のプロゴルフ会会長を務めているのがレギュラーツアー2勝の桑原克典。愛知県出身で小学4年からゴルフをはじめ、ジュニア時代は中部地区のタイトルを総なめにした天才少年時代。愛知学院大学に進学し、卒業後プロテストに合格。長きにわたり地区のゴルフトーナメントを支え、社会活動にも貢献。中部プロゴルフ会の会長を務めて6年目を迎え、地元を大事に、ゴルフ発展を願ってやまないのが桑原克典の人柄である。

5年前に富士可児で日本プロの開催が決定。ちょうど桑原がシニア入りでプロ会会長を務めるタイミングも合ったことから、富士可児のトーナメント用のコースに向けたメンテナンスやセッティングについて、プロ目線でのアドバイスが求められていた。正式には3年前の競技管理委員会で「コースセッティングアドバイザー」として任命された。

 

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これまでコースとの取り組みについて桑原は「できるところまでグリーンを速くしていただき、できるだけ硬くしてくれともリクエストしています。ラフは少なくても8センチ伸ばしてもらい、フェアウェイも平均20ヤード幅に絞っています。戦略的にバンカーも改造や増設しました。難しいコースでプロの技を存分にみてもらいたいという思いからそのようにさせていただきました」と話した。

トータルヤーデージだけみると「7,164ヤード」と最近のレギュラー選手はキャリーで300ヤード運ぶこともあり決して長くはないが「短い分だけ難しいと感じるかもしれません。戦略的にドライバーという武器が使えないホールもあります。コースでどうマネジメントをするのかを考えてもらい、それを見てもらいたい」ことが真意にある。

狭いフェアウェイ幅、長いラフ。グリーンサイドのラフはさらに100ミリに設定し、高速グリーン上では選手の技量が試されるのだ。

 

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大会注目選手の一人、練習ラウンド終えた石川遼は初めてプレーするコースに「ティーショットで持つクラブだったり、運んでいくポジションとか、ドッグレッグが多かったりする印象です。ティーショットから 250~300ヤード先があまり見えなかったり、そういうホールが結構あります。ドッグレッグのホールで3番ウッドを使ったり、ユーティリティーで打ったりというのが多い感じなので、このクラブでこういうラインで打つというのを信じてやれるかが大事になると思います」と印象を伝えている。

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用意された18ホールには、戦いに求められるストーリーがある。各選手が揃える14本のクラブをフルに使ってもらえるように頭脳も試される。そこでキーホールとなるのがバックナインの14番パー4ホール(388ヤード)。大きく左ドックレッグするレイアウトは、アーメンコーナーといわれるリスクが潜んでいる。ボールをグリーンに運ぶまでに3本のルートを用意したのが桑原方式。林の上をショートカットするルートを選択するか、残り距離を考慮しフェアウェイの広いエリアか、林越えの先に増設したバンカーが待ち構えるギリギリのラインを狙いショートアイアンで攻めるルートを取れるかどうか。残り4ホールに向かう大事な局面ということもあり、ここまで作ってきたゲームの流れを生かせるかどうかが試される。「クライマックスに向けて、どうやって攻めるのか、大きな駆け引きが必要になるので、ひとつの見どころとして楽しんでもらいたい」と仕掛けを用意した。

最終ホールまで気が抜けない、富士可児の18ホール。会場ではぜひ大会プログラムに記載されたホールガイドを手に、スリリングなゲームを観戦してもらいたい。

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