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【日本プロ/事前】ティーチングプロ日本一タイトルを掲げて大木昌幸がツアーデビューに挑む

2024年07月03日
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PGA会員入りして20年。そんな節目に日本プロゴルフ選手権大会に出場を決めた選手がいる。ティーチングプロ選手権覇者の53歳・大木昌幸が念願だったツアーの舞台に立つ。出場プロ144名の中で唯一「PGAティーチングプロA級」という肩書。それはPGA唯一無二の資格だ。

大木は20歳でゴルフを始め、静岡のベルビュー長尾ゴルフ倶楽部でゴルフの腕を磨き、32歳でティーチングプロの資格を獲得。現在は静岡県にあるジョイランド江原ゴルフ練習場(沼津市)を中心に、ジョイランド大仁ゴルフ練習場(伊豆の国市)、ゴルフクラブフォレスト(伊東市)で教えている。50名ほどのレッスン生を抱え、長きにわたり付き合いをしている生徒もいるという。「生徒さんは『頑張って』ってあんまり言わないけど、たぶん思ってくれているんでしょうね。うん、プレッシャーになるからあえて言わないんじゃないかと」と大木は思いやりとして受け止めている。

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大木にとって週5回のレッスン活動が生活の中心だ。「夜10時過ぎにレッスンから戻り、翌日朝4時に起きてラウンドする普段の生活に比べたら、身体が本当に楽です。自分の好きなゴルフにしっかり向き合える」と大木は目を輝かせた。

プロゴルファーとして一度は出場したい「日本プロ」。昨年10月のティーチングプロ選手権で優勝してからは試行錯誤の日々が始まった。まずは飛距離を求めて新しいクラブセッティングを探った。しかし飛距離を出すにはトレーニングが必要で、53歳から始めるには限界もある。「できる範囲ではやりました。身体を追い詰めるまではやってみたものの、同時に身体のケアも必要ですしね、自分の現実を知りました」と受け止めていた。クラブもボールも変えてみようとしたが「それも試合だけが上手くいくわけではないし、一年かけてじっくりと取り組むものなんじゃないかと思って、結局いつものセッティングでいい」と気付くことができた。

 

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「ただ、年々うまくなっている気はしていました。若い選手には飛距離で差をつけられますが、自分の身体に見合った効率の良いシンプルなスイングができている」と実感もある。

プレーオフを制した大会で「ティーチングプロ日本一」のタイトルを獲得。ゴルフは最後まで諦めなければ、願いが叶うことがある。「最後まで諦めないこと」は、大木が優勝して得た真理でもある。「娘が明日、応援に駆けつけてくれるんです」と目じりを下げた。家族にも何か伝えられたら、感じてもらえたら父親冥利に尽きる。プロゴルファーとして輝ける瞬間がやってくる。