「スターツシニア」は昨日に引き続き30度を超える暑さのなか、2日目の競技が終了。単独トップでスタートした宮本勝昌がこの日もベストスコアとなる「65」で回り、トータル13アンダーで首位を守り、3打差のトータル10アンダー・2位で兼本貴司が続いた。トータル8アンダー・3位タイで矢澤直樹、山下和宏、サイモン・イエーツ(スコットランド)の3人が追う展開となっている。
シニアツアー参戦3年目の矢澤は3連続バーディで締めるなど、7バーディ・1ボギーの「66」をマーク。トータル8アンダーまで伸ばし、14位タイから3位タイに急浮上してきた。明日の最終日は、昨季賞金王の宮本、今季開幕戦を制した兼本と最終組で回る。
「今日はショットが良かったし、パターはワンピン弱のいつもは絶対入らない距離が入ってくれました」と矢澤は白い歯を見せる。16番パー4ではセカンドショットが50センチにつき、続く17番パー3ではティショットが入りかけるスーパーショットで連続バーディ。最終18番パー5はワンピンのバーディパットが入って3連続で締めた。
矢澤はツアー参戦1年目の22年は賞金ランキング49位、2年目の昨年は同33位で30位以内のシード権を逃している。「平均パット数のランキングが70位だとシードは無理だと思うんです」と、本人はパッティングに課題を感じている。22年の平均パット数は1.868で72位、23年は1.8754で75位、今年は2戦を終えて1.884で73位と、70位台が矢澤の定位置だ。
「少しでも順位を上げるために何か改善をできれば」と、今年からいろんなプロにアドバイスを求めている。今週はロッカールームに入ると、塚田好宣が「ボール1個くらい左に置いた方がいいよ」と矢澤に言ってきた。塚田は1つ前の大会「すまいーだカップ」の最終日に矢澤と一緒に回っており、「よっぽど入ってなかったんでしょうね」と見るに見かねてアドバイスしたようだ。
また、現在シニアツアーの賞金ランキングトップ2、片山晋呉と兼本には自分から積極的に聞きにいった。片山も兼本も矢澤と同じく長尺パターを使っている。
「晋呉プロは右手の感覚をすごく大事にしていて、『右手だけで打ちたいくらいだ』って言っていました。兼本プロには自分のパターを見せて、『ロフトはどう?』と聞いたら、『ヒールを浮かせたらもっと転がりが良くなりそう。真っすぐ飛びそうだね』と言ってくれたんです」。すべてを取り入れられたわけでないないが、練習グリーンで調整したところ「今週はワンピン弱のいつもはいらないやつが入っている」と、3人のアドバイスが効果を発揮している。
宮本とは5打差だが、シニアツアー初優勝へ逆転不可能な差ではない。また、現在賞金ランキング36位の矢澤が、今週上位に入って賞金ランキング30位以内に入ると、「日本シニアオープン」(9月12~15日・千葉カントリークラブ・川間コース)の出場権が得られる。
「もちろんシニアオープンの出場権はモチベーションになっています。(今週は)スコア的に優勝なんて言葉は出てこないけど、トップ5には入りたいかな。でも間違いなく伸ばさないと入れないですもんね」。課題のワンピン弱が入れば、逆転でのシニアツアー初優勝も見えてくる。