トータル4アンダー・26位タイで最終日をスタートした久保谷健一が、8番パー5からの6連続を含む8バーディ・ボギーなしの「64」と爆発し、23人抜きの3位タイでフィニッシュ。この「64」は最終日のベストスコアタイで、久保谷のシニアツアー自己ベストを更新した。
レギュラーツアーでは「日本オープン」や「日本プロ」を含むツアー通算7勝を挙げている実力者だが、2022年から参戦しているシニアツアーでは苦しんでいる。昨年までの2年間で「コマツオープン」で3位タイが最高成績で、トップ10はこの1回のみ。22年は賞金ランキング35位、23年は同56位で30位までに与えられるシード権を逃した。今季は出場権を持たないため、主催者推薦での出場に限られる。
今日の会心のゴルフについて「やっぱり無欲のパーをきっちり獲りにいきたいがリズム良くなって、1個入るとなんとなく入ってくるようになるんですよね。その代わり、1個変なパットが始まると1日入らなくなる。その流れの問題です」と話す。
2日目は2バーディ・1ボギーの「71」と1つしか伸ばせなかったが、最終日は5、6メートルもよく入り、「パターがダメかなと思っていたけど、一日でこんなに変わるんだ」と自分でも驚いている。
「ショットの安心感が出てくると、やれそうな気がするけど、まだ流れ重視、運任せになっちゃっている。自分で気持ち良くプレーしてスコアを出さないと自信にならない」と、久保谷らしいぼやきも出るが、「そんな中でもこうやってスコアが出るんだと思えば、次も諦めそうなときでも我慢してやろうとなるから、いいきっかけだと思います」と浮上の足がかりとしたい。
次戦は2週間後の「スターツシニアゴルフトーナメント」に出場予定。限られた試合数の中での目標を聞くと、「まず自分のプレーを取り戻したい。昔は14本の中で何とかなるものが1つか2つあった。いまはもう信用できるものが1個もないから、2つくらい自信のあるものがほしいです」と、ゴルフ全体のパフォーマンス向上に努める。
3位タイの賞金181万円を加算して賞金ランキングは13位に浮上した。少ない試合数ではあるが、このままの調子で行けば、来年の出場権が得られる賞金ランキング30位内も見えてくる。それでも久保谷は「そこを目標にすると、縮こまったゴルフになるから考えないです。もっと上を目指せるかもしれないのにってなっちゃう」と、1つ1つの出られる試合に集中していく構えだ。ぼやきながらも強かった久保谷の復活が待たれる。