首位から3打差以内に14人がひしめく団子状態となった初日から一夜明け、2日目は悪天候のためスタート時間が1時間遅らされた。パラパラと雨が降り続くコンディションの中で、抜け出したのは今日のベストスコア「64」をマークした片山晋呉だった。
5番まではパーを並べたが6番からの3連続バーディで勢いに乗り、上がり6ホールでは5つのバーディを奪ってトータル12アンダーで単独トップに躍り出ている。しかも初日から2日間ボギーなしと、ここまでは一切隙がない。1打差のトータル11アンダー・2位には同じく2日間ボギーなしの手嶋多一、トータル9アンダー・3位に韓国のソク・ジョンユル、トータル8アンダー・4位タイに前年覇者の増田伸洋と谷口徹が続いている。
「今年はショットがすごくいいので、不安なくゴルフができている。フェアウェイに行ったらバーディチャンスにつくだろうなと思ってゴルフが組み立てられているので、すごく楽です。ボギーの気配?ないね」と片山が言うように、ショットが冴えまくっている。今日グリーンを外したのは3番パー4のみ。昨日の初日もパーオンできなかったのは1ホールだけだった。周りの選手たちがティショットを曲げてボギーを叩く中で、ひとり涼しい顔でプレーしている。
ショットが好調の要因について、「今年からずっと取り組んでいることがかなりいい。インパクトのときにあまり左にいかない(体重移動しない)とか、そのままお尻を回しちゃうとか、左のスペースを作っている」と語る。ラウンド中は、ショットの前にフォークダンスのように、クラブを固定したままその場で回転する不思議な動きも行う。
片山はレギュラーツアーで通算31勝を挙げ、5度の賞金王を獲得するなど一時代を築いたが、昨年デビューしたシニアツアーでは未だ勝利はない。明日はシニア初優勝をかけて残り18ホールに臨む。「去年からなかなか『勝ち』にだけつながってなかった。ここで勝ち切りたいなと思っています」。今大会3日間の最少ストロークは、17年に優勝したプラヤド・マークセン(タイ)のトータル16アンダー。シニア初優勝とともに大会レコード更新にも注目が集まる。