ともに2年連続で「全米プロシニア」(5月23~26日、ミシガン州 ザ・ゴルフクラブ at ハーバーショアズ)に出場した宮本勝昌と藤田寛之。予選ラウンドを突破して4日間を戦い、宮本はトータル1オーバー・39位タイ、藤田はトータル4オーバー・51位タイで終えている。28日火曜日に帰国すると、休む間もなく29日は「すまいーだカップ シニアゴルフトーナメント」のプロアマ戦に出場、30日から初日を迎える。
■宮本勝昌はシニア開幕戦で自己ワースト
宮本は昨年12月の米シニアツアー、PGAツアー・チャンピオンズの最終予選会に挑戦するも出場権には届かなかった。そして今年もPGAツアー・チャンピオンズ参戦を目標掲げてシーズンを走り出している。今回の全米プロシニアの結果は「悔しいですけど、また来年も行きたいと思いましたし、来年はもっと頑張るぞっていう気持ちになりました」と、アメリカへの思いを強くした。
来月には「全米シニアオープン」も控える宮本だが、今年はまだ調子が上がっていない。4月の国内シニア開幕戦「ノジマチャンピオンカップ箱根 シニアプロゴルフトーナメント」は53位タイ、レギュラーツアーは3試合に出場してすべて予選落ち。特に2022年にデビューした国内シニアでは、昨年までの2年間で16試合に出場して、優勝3回を含むトップ10が15回という好成績で、唯一トップ10を外した試合が20位だった。自己ワーストとなる53位というのはちょっと心配だ。
「良いときもあれば悪いときもありますよ」と本人はあまり気にしているそぶりはない。そして、「野球でいえば、良い球を投げてストライクを獲ることが大事ではない。ヒットを打たれてもフォアボールを出しても、0点に抑えることが大事。そこがいまの課題かな」と、今のゴルフに流れの悪さを感じている。
6月には「全米シニアオープン」(6月27~30日、ロードアイランド州 ニューポートカントリークラブ)が控えるが、遠くは見ず目の前の試合に集中していくスタンスはずっと変わらない。「今週がすまいーだ、来週が(レギュラーの)ツアー選手権、その次がスターツシニア、一週空いて全米シニアに行く。全米シニアに気持ちを向けるのは月曜日の練ランからなので(笑)」。
昨年はレギュラーツアーを選択したため、今大会に出るのは初めて。「時差ボケは大丈夫。初日からバーディをたくさん獲れるように、そして最終日にはしっかり優勝争いをできるように頑張りたいです」と今季初優勝を狙いにいく。
■藤田寛之はショットの不調に苦しむ
一方、宮本と同じ芹澤信雄に師事する兄弟子の藤田は、全米プロシニアでは最終日こそパープレーで回ったが、初日から3日連続でオーバーパー(+1、+1、+2)と苦しんだ。4日間で一度もアンダーパーが出なかったのは、今季開幕から悩まされているショットの不調にある。
「なかなか自分の思うような球が打てない、というか自分のイメージすら分からなくなっている。逆球も出るし、ダフリも出るし、いろいろ出るんですよ」。4月のシニアツアー開幕前には芹澤が住む御殿場を訪れ、スイングを見てもらっているが、ここまで復調の糸口を掴めずにいる。
そんな中で出場した海外メジャー初戦は51位タイ。「まずは4日間戦うのが第一関門。次に予選を通過したら昨年の37位を上回る目標でやっていた。達成できなかった原因は、ショットがうまくコントロールできずに、なかなかバーディが獲れなかったこと。ピンチのほうが多くなってしまった」とくちびるを噛む
「いろんなことを考えて何をやるべきか分からなくなっているので、頭の中を整理したい。ここはショットがちゃんと打てないとスコアが出ないので何とかしたい」。インタビュー後はすぐに練習場に走り、芹澤の指導のもとでショットの修正に取り組んだ。アドレスで腰のラインがクローズ気味で、ハンドファーストになりすぎていたアドレスを、ニュートラルに直している。
思い返せば、藤田がシニアツアー初優勝を飾った22年の「スターツシニア」も直前まではショットが不調だった。それが芹澤の指導によって調子を取り戻し、初日にいきなり「64」で飛び出し、最終的に後続に5打差をつける快勝ぶり。芹澤マジックがはまれば、「シニアツアーは毎試合トップ10を目指している。そして年に1回勝って、海外メジャーに出られる賞金ランキング4位以内に入りたい」という結果も付いてくるだろう。