あす30日から3日間の日程でシニアツアー第2戦「すまいーだカップ シニアゴルフトーナメント」が開幕する。昨年はシーズン終盤の11月に行われ、増田伸洋がシニアツアー初優勝を果たした。増田は前週、「全米プロシニア」(5月23~26日、ミシガン州 ザ・ゴルフクラブ at ハーバーショアズ)に出場して、昨日の15時頃帰国したばかり。夜の悪天候を回避して今朝から会場のある栃木に入った。
クラブハウスに貼られた大会ポスターには増田の姿が大きくプリントされており、「ここに来て去年勝ったんだな」と実感が湧いてきた。そして大会連覇に向けて意気込みを聞くと「連覇は僕しか狙えないので、狙っていきたいと思います」と力強く話す。昨年の11月開催との違いについては、「風向きが変わると思いますし、ラフが伸び始めてフライヤーを警戒しないといけない」と気を引き締める。
そんな増田が初めて海外メジャーに出場したのは2007年。オークモントカントリークラブで行われた「全米オープン」だった。そのときはアルゼンチンのアンヘル・カブレラが優勝し、増田は予選ラウンドで敗退。今回の全米プロシニアは実に17年振りの海外メジャー出場となった。結果は同じく予選落ちだったが、「楽しかった」と笑顔を浮かべ、当時とは違う手応えを得たようだ。
「前回はもっともっと自分のレベルを数段上げていかないと追いつかないと思ったけど、今回はもうちょっと頑張れば戦えるんじゃないかと。あんまり差が離れすぎているとは感じなかった。スチュワート・シンクとかバカみたいに飛んでいたけど、手が出ないわけではない。(国内で)勝てば来年もチャンスがあるのなら、そこを目指してやっていきたい。まったく歯が立たないんだったら、またアメリカに行きたいと思わない」
海外メジャーを経験したことで、ゴルフへのモチベーションはさらに上がっている。昨年、国内シニアツアーの賞金ランキングで4位に入り、今年の海外メジャー2試合「全米プロシニア」と「全米シニアオープン」(6月27~30日、ロードアイランド州 ニューポートカントリークラブ)の出場権をつかんだ。来年も出るためには、再び4位以上の成績が必要となる。
海外メジャーで上位に入るために、増田は2つの課題を挙げる。「1つはやっぱり100ヤード以内。もう1つは想像力だけど日本にいては無理」と語る。では、想像力とはどんな状況を指すのか? 「セカンドショットからマネジメントです。ピンを狙うのではなく傾斜を使って寄せたり、グリーンの奥から戻したり。でも日本ではそんな状況があまりないから、そういう発想にならない」。
想像力が必要な場面はグリーン周りでも。「何でパターで打っているんだろうとテレビを見て思っていたのが、実際に行ってみたらパターのほうが寄った。ピンがエッジから近いときは、ウェッジではなくパターで十分。そういうことが向こうのコースだと考えさせられる。行って経験できたのは良かった」。日本にはあまりない想像力が必要なコース設計に、「面白さ」を感じたのだ。
それは17年前の全米オープンでは気付けなかったことだ。「まともに試合に出始めてポンと行ったわけだから。そこまで感じる余裕がなかった。今とは行き方が全然違いました」。今年のほうが多くの発見を持ち帰ることができた。もしかしたら今週は、米国帰りのアプローチのバリエーションが見られる?と振ると、「UTは使わないけど、パターは使っているかもしれない」と大きく笑った。