高松厚(64)が5バーディー・1ボギーの68をマークし、初日8位は首位3打差と好スタートを切った。「久しぶりの試合で楽しかったよ」と笑みもこぼれる。アウト1番からスタートして3番パー4ではグリーン左サイドからふわっとアプローチしたらそのままカップイン。前半は1つスコアを伸ばして折り返し10番では4メートルのバーディーパットを流し込んだが、12番ではフェアウェイからのセカンドショットを左にひっかけてアプローチもよらずにボギー。13番ではバウンスバックに成功。その後16番、18番ではバンカーショットも冴えて後半33でまとめ、優勝を狙える位置で最終日を迎えることになった。
「コースは短いのですが、自分に見合ったゲームマネジメントができるし、嫌いじゃないタイプのコースです。それにこの時期のグリーンが綺麗に仕上がっているので、パッティングのイメージが沸きやすい」という。
グランドデビューした2020年大会では66をマークして4位に入っている。シニアツアーでは2010年にデビュー。当時はシニアの試合に出場しながら「5963ズ」(ゴクロ―サンズ)というシニア選手で結成されたバンド活動にも励んでいた。
もともとプロドラマーとして音楽の世界でも活躍していたという異色のキャリアの持ち主で、シニアツアーではバンドの「リーダー」や「あっちゃん」と呼ばれ親しまれている。メンバーには奥田靖己や加瀬秀樹、高見和宏、芹澤信雄という同期プロが揃い、ツアーの合間やプロアマのパーティーなどで演奏を披露するほどの自慢バンドだ。
「グリーンの仕上がりが良いので、パッティングのイメージがしやすい」と高松が言うのは「音楽も一緒。イメージは芸術だと思うし、今でも音楽活動も楽しんでいるから、想像力が必要なゴルフも楽しめるようになってきた」と自己分析する。現在は地元・栃木県益子町にある「益子ダイナミックゴルフシティー」という打撃練習場で活動する傍ら、自宅にあるスタジオで地元の仲間と一緒にセッションをするのが楽しいという。「仲間と一緒にバンドをしている時間が心地良いんですね。RCサクセション『雨上がりの夜空』とかよく演奏していますよ。バンドレッスンも、ゴルフレッスンも今の生活を豊かにしてくれてます」と明かした。
この試合で日本グランドシニアに進出を決めて、個人としてお世話になっているスポンサーであり日本グランドゴールドのスポンサーでもある「UNITEX」さんに対してはパフォーマンスで御礼を伝えたいところ。日本グランドのフィールドには5963ズのバンドメンバーが一緒に戦えることを心待ちにしているはずだから。