今年で45回目の開催を迎える「関東プロゴルフグランドシニア選手権大会」が5月21日、22日の2日間、箱根湖畔ゴルフコース(6,431ヤード/パー72)で68名が参加し行われる。ディフェンディングチャンピオンの久保勝美(61)をはじめ、丸山智弘(66)、高見和宏(64)、芹澤信雄(64)、真板潔(64)、崎山武志といったシニアツアーでも活躍している選手も含め総勢68名が参加する。
箱根湖畔ゴルフコースは芦ノ湖や大涌谷といった景勝地に近い丘陵コースで、全体的に高低差のあるホールを持っている。ティーショットの狙いどころにはハザードもレイアウトされており、グリーンの傾斜や芽も含め戦略的にマネジメントが求められるコースである。大会前日の指定練習日、コースには早朝から強い雨が降り続いていたが、9時過ぎにはすーっと雨が止み、コースには晴れ間が広がった。練習ラウンドは久々に仲間でプレーやおしゃべりを楽しむ貴重な時間になっている様子だ。
高木克仁、萩原浩一、小嶋光康の同組は「久々にプロ同志で集まってゴルフできるのって、ほんとうに楽しいんだよ。飛距離だけじゃないところが求められるからね。この大会でも頑張って、仲間と一緒に日本グランドの出場権を獲ることが目標」と3人口を揃えた。
グランドシニアは、これまでその年に60歳という年齢に達していれば大会に出場できたが、今年から大会初日に満60歳を迎えていることが出場資格要件となった。グランドルーキーは7名(青木繁之、加藤優、小池達也、渡辺義徳、西沢章夫、田中耕介、土岐宏)が参加している。
一方、これまではゴールド年齢と言われる68歳以上でも、グランドの部を選択することが可能だったが、今年から67歳までが出場できるというルールに変更され、今年でグランド最後の年になるのが太田慶治、石原明、菱沼孝至、飯沼カオルの4名。中でも菱沼は2020年の同大会では65をマークして3位に食い込んでいることもあり「一年あっという間にグランドシニアの時期が来ますよね。コースのイメージは悪くないから、なんとか今年も日本グランドに出場できるように頑張りたい」と期待を込める。菱沼は「昨年の日本グランドでは、試合直前に指をハサミで切ってしまって病院で縫合してもらってから出場したのですが、指の違和感が取れずブービーメーカーでした(笑)。私にとってグランドシニア最後の年ですから、気負うことなくやってみますね」と笑顔で話した。
昨年大会では最終日にノーボギーゲームで64をマークし優勝を飾った久保勝美。今年の調子を伺いに練習を覗くと、シニアツアーでも好敵手の清水洋一、グランドルーキー田中耕介が一緒だった。久保は「去年はこの大会で優勝することができて、グリーンリーディングやプレーのマネジメントといったところで自信がついたので、コマツオープンの優勝に繋がりました。だからこの大会で優勝したいというのはありますけど、仲間の(清水)洋一にも頑張ってもらいたいね。崎山(武志)も優勝したし、今年は洋一の優勝する順番が来てると思いますよ。自分でブレーキかけないでほしいね」と笑顔で仲間の活躍にも期待を込めた。「まあ、洋一の初優勝を邪魔するのが私と崎山なんだろうけど(笑)。調子も良さそうだし、またみんなで面白い勝負ができると思います」と言葉をはずませた。
優勝候補として久保の指名をうけた清水は、昨年大会で首位1打差2位からスタートしたがスコアを伸ばせず、久保に大逆転を期してしまった。「最終日にスコアを伸ばす力が足りなかったですね。最終組のピリピリした楽しくない雰囲気にも、ちょっと流れが作れなかったです」と振り返った。「まずはレイアップしてパッティング勝負できるところにボールを置けるように。コースは距離が短いだけにバーディー合戦ができる位置につきたいです」と清水は見据える。今年こそ怯むことなく、このグランドタイトルを掴みにいく。