大会ホストプロとして開幕戦に挑む藤田寛之（５４）にとっては緊張感の高まる大会だ。昨年大会では「初」ホストプロとして挑んだが１９位と、活躍が期待されただけに本人もがっくり肩を落としていた。「プレッシャーは充分すぎるほどいただいていますが、こうしてホストプロとしていられるのは光栄なことでなかなかできることではないですからね。プロゴルファーとしては充実感をもって試合に挑むことができます。問題は結果につながるかどうか（笑）。こればかりはプレッシャーかけても仕方ないこともわかりましたし、試合を楽しんでやり切りたい」と表情も明るい。
箱根カントリー倶楽部には、強い思い入れもある。「このコースはメンテナンスが隅々にまで行き届いていて、試合のタイミングで素晴らしい仕上がりだということ感じさせてくれます。壮大な山、木々に囲まれた自然の景色に癒されますしね。自然の中で散歩しているような錯覚になります。戦略性も高いコースですごく大好きな場所なんです」と力もみなぎっている。
そんな藤田も気付ばシニア「５年生」の年を迎えたようだ。「先輩たちの昭和的なやりとりは、自分にとって非常に心地良いんです。そんな先輩たちからみると、自分のキャラクターは薄いかもしれませんが（笑）。あいさつのできるキャラの濃い後輩たちもたくさん増えましたし、シニアツアーは全体的に面白いです。シニアとはいえハイレベルですから、勝負どころが満載。ぜひ会場に足を運んで見てもらいたい」とシニアの魅力をアピールすることも板についている。「先輩たちの背中を追って、お客様へおもてなしをもっと練習しないとですね」とホストプロの務めに対しても学びが尽きない。
「まだまだサポートや応援してくれる方々の期待に応えられるように頑張ります」ぎゅっと口元を引き締めて、シニア５年生・藤田は開幕戦で堂々戦うことを誓った。