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【シニア最終予選会/2R】ロングアイアンを使い分けて流れを生んだ兼本貴司が66で首位タイ!S・イエーツも67で首位浮上

2024年03月14日
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 シニアツアー最終予選会の第2ラウンド。日中は微風で気温も上昇し、半袖に着替える選手もいるほど暖かなコンディションに一転した。好条件でスコアも伸びるかと想定されたが、昨日の強風に立ち向かった感覚が残っていたり、グリーンは朝露の影響を受け、球が思うように滑らないといった変化に、選手は困惑していた。


 シニア4年目・兼本貴司(53)の第1ラウンドは、パッティング不調が原因で74ストローク31位タイと出遅れていた。「いまだに緊張しいなんですよ。それにパッティングが怖くて、インパクトで緩む感じが不安だった」と振り返る。それに先週から練習ラウンドを重ねているが”76ストローク“を切ることはなく、気持ちは沈む一方だった。唯一の光は、第1ラウンド後に先輩の水巻プロにパッティングを見てもらい、復調のきっかけをつかみ始めたところだった。


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  第2ラウンド、兼本は良くも悪くも半々だと割り切っていた。インからスタートし11番パー4で6メートルのバーディーパットを沈めた。「前日は湿っていないグリーンに硬いボール、硬いヘッドだからどうにもならなかったから、今日は朝露で湿っていたし、滑りが無いコンディションが、昨日修正したパッティングスタイルにマッチした」と手ごたえを掴んだ。13番パー5でも6メートルが入り、スコアをイーブンに戻した。17番パー3(184ヤード)は8番アイアンで5メートルに着け、こちらもカップイン。前半でスコアを3つ伸ばした。後半後半に入り、ショットの精度が上がってくる。3番パー4ではセカンドを30センチに着けて4つ目のバーディー。さらに後半2つのパー5ではロングヒッターのアドバンテージを生かして2つバーディーを仕留め、このラウンドだけで6つスコアを伸ばして一気に首位へ駆けあがった。


   シニアツアーは4年目を迎える兼本。シニアデビューした2021年は賞金ランキング62位、2022年はノジマチャンピオンカップでシニア初優勝を飾り賞金ランク3位と復調。2023年は2度のトップ10入りに留まり、賞金シード外の33位に終わった。

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  「66だなんて一年に一度でるかでないかだよ。だけど最高に嬉しいね」と兼本は白い歯を見せた。爆発力はある。昨年USGA主催の全米シニアオープンに出場した際には、初日128位から第2ラウンドでこの日のベストスコア67をマークし38位まで浮上した経験もある。「やっぱり運も味方したと思うし、パッティングがすべてです」と言い切った。さらに良い流れ、良いパッティングにつなげるために、昨年からアイアンの調整に頭を悩ませているという。「飛び過ぎちゃう。5番アイアンで210とか215ヤードとかね。ベストは205ヤードなんだけど、その距離がでるシャフトに調整できつつある」と徐々にではあるが、自分らしいプレースタイルを確立し始めているようだ。



  「いぶすきは僕にとって狭く感じるんです。サイドにそびえるヤシの木が邪魔をする決して広くないコース。だからこそロングアイアンを使い分けたい」。そして長尺パターでミドルパットを仕留め、兼本は一気に首位に上り詰めることができた。「緊張するけどね、あと一日やるだけやってきます」とスタート前の強張った表情から、いつもの柔和な笑顔を見せて、夕方のドライビングレンジに足を向けた。

 

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 兼本と同じく通算4アンダー首位に並んだのが、イングランド出身のサイモン・イエーツ(53)。第2ラウンドでは7バーディー・ノーボギーの65ストロークと完璧なゲームな展開だった。イエーツは初日46位から首位に浮上し、最終ラウンドに望みをつなげた。

  「昨日の北風で身体は冷え切ったし、プレーが思うようにいかなかった。だけど今日は穏やかな一日だったからね、ゴルフが本当に見違えるように変わったよ。ドライバーと5番アイアンくらい、ゲームも大きく変わったね」と満面の笑み。 


  タイを拠点として活動しているイエーツ。リゾート地ホアヒンにあるブラックマウンテンという名門コースの所属プロでもある。「普段から山合いのコースや風のあるロケーションでプレーを楽しんでいますよ。私と私の家族は、日本の美しいゴルフ場が大好きなんです。そして富士山もいぶすきの開聞岳も本当に神秘的で、日本の自然はとても心地いい」と話す。イエーツは昨年初めていぶすきでプレーして「13位」と成績を残していることもいいはずみになったようだ。