(右)吉村会長より受講修了者へ会員証授与
PGAティーチングプロB級講習会受講修了者を対象にしたPGA入会セミナーが12日、静岡・掛川にあるつま恋リゾート彩の郷で行われた。PGAゴルフ論を約1年半かけて学び、座学や実技のテスト合格した新入会者98名が2024年1月1日付けで認定される。その内、女性会員4期生は11名が入会する。ガイダンス後には吉村会長よりティーチングプロB級認定書および会員証の授与式が行われた。
2024年度入会のティーチングプロB級会員は98名となった。最年少は黒田千梨子、平山威虎の2名が21歳、最高齢は金澤次男が64歳で、平均年齢は31.5歳と昨年に比べ2歳ほど若くなった。入会までの道のりは前期・後期合わせて6学期、計26日間の受講を必要としている。座学講習、説明検定、レポート提出、実技指導といった講座が用意され、毎回細やかで厳しい指導の下、PGAゴルフ理論を持ち合わせるティーチングプロが輩出されている。B級の取得後はA級講習会を受講することで指導のレベルアップが可能であり、A級ライセンスに加えジュニア指導員資格も取得することができる。 長崎誠資格認証委員長は「みなさんはPGAのライセンスカードを手にすることで、成長が期待される一方、社会的な責任も出てきます。今後ゴルフ界を担っていくためには、困難もありますが、目指すところを高くし、情熱を持って過ごしてください。目の前にある大きなチャンスをつかんで、我々と一緒にゴルフ普及活動をしましょう」とメッセージを伝えた。B級受講資格試験合格から6期にわたる講習会を経て掴んだプロライセンス。今後の更なる活躍に期待がかかる。
◆ 新入会員 ティーチングプロB級会員の声 ◆
髙橋 明美 (フリー・28歳) ※初の兄妹同時入会 短期大学から大学へ編入するつもりでいたのですが、友人と初めてゴルフ練習場にいったときに「ゴルマジ」という練習場を無料で使えるキャンペーンをやっていて、そこでゴルフにはまりました。 小さいころから水泳、スノーボード、中学・高校でバドミントン、ソフトボール、大学ではチアリーディングと多岐にわたってスポーツをこなしたのですが、ゴルフだけは断トツに難しかったんですね。 もっとやってみたい、知りたいとゴルフに出会ってから1か月くらいで熊谷則宏プロが校長を務める「TMGBゴルフアカデミー」に入学しました。あっという間に2年が過ぎ、ハンディーキャップが1までになりました。教わるうちにラウンドレッスンを任せてもらうまでになり、本格的に自分の仕事にしたいというところで、ティーチングプロを目指すことにしました。 21歳からゴルフを始めたこともあるので、授業はどれも新鮮で、基礎からゴルフを知る良い機会でもあり、充実した時間を過ごすことができました。 今後はゴルフが素晴らしいスポーツだということを伝えられるように、私がゴルフを始めたような若い世代にゴルフの魅力をお伝えしたいです。ゴルフはコミュニティーを築けて人との交流を深められる良いスポーツですから。
髙橋 敏生 (フリー・30歳) ※初の兄妹同時入会 父の影響もあり小さいころから様々なことに兄妹で取り組ませてもらっていました。スポーツは何でもやってみて、やり切ってしまうタイプなのですが、ゴルフは違ったんですね。妹がゴルマジからゴルフに夢中になっている姿をみて、私にもできるだろうと23歳から始めました。 「TMGBゴルフアカデミー」に通うようになり、集中できた練習環境下でしたからプロゴルファーを目指そうと思うようになりました。ゴルフアカデミーの村上克佳プロもゴルフを初めた年齢が遅かったということもあり、親身になって相談にも乗ってくれました。本当に助けていただきました。 プロテスト受験も経験しましたが難しかった。それでもゴルフを仕事にしたいと思い、ティーチングプロの道を選びました。兄妹でティーチングプロ同時合格できて良かったです。 将来的には、妹と一緒にゴルフビジネスをしていきたいと思っています。あと数年の内に、インドアスクール運営をすることが当面の目標です。
米山 孝太 (岩崎産業ベイサイドウェルネスパーク・36歳) ゴルフは14歳から始めましたが、当初はプロを目指していませんでした。地元鹿児島の大学を卒業後、ゴルフの販売員やツアートーナメントプロキャディ、コーチというゴルフに関する仕事の傍ら、地元・鹿児島姶良にあるゴルフ練習場でレッスンの仕事をすることになりました。当時は2、3人のレッスンをしていただけでしたが、だんだんとレッスン生が増えて、今は20人ほどの個人レッスンをさせていただくまでになりました。岩崎社長、副社長にティーチングプロ受験をしたいと相談したところ「ぜひ挑戦してください」と嬉しい返事をいただきまして、本格的にティーチングプロ資格取得を目指すことになりました。 勉強は嫌いじゃないので、知らない知識がたくさんあって、講習は本当に面白かったです。この掛川で受講したトレーニング講座の実演がとても興味深く、陸上選手による筋力アップトレーニングは特に魅力ある内容でした。プロゴルファーに直接的に役立つ内容だと実感し、興味を深めています。 これからは今の生徒の方々を大事に、少しずつスクール形式のレッスンも増やしていきたい。レッスンを通じてゴルフの魅力を伝え続けたいです。鹿児島でレッスンの場を大きくしていきたいと思っています。
鈴木 貴之 (フリー・26歳) 父がトーナメントプレーヤーでありツアープレーヤー(鈴木亨)ですので、ゴルフは身近なところにありました。小さいころから野球やサッカーといったスポーツをこなしていましたし、身近なゴルフというスポーツはプロの上手なプレーばかりで、ゴルフは簡単なスポーツと甘くみていましたね。プロ入りを目指して大学ゴルフ部に入りましたが、ゴルフほど難しいスポーツは無いと実感して、プロを目指すことは諦めました。 大学卒業後はスポーツメーカーに勤めました。オフの日にはゴルフをすることも多く、メンバーコースで同組のメンバーさんからスイングを診てほしいとかアドバイスを求められることがあり、自分の言葉に対してすごく喜んでもらえたことに感激していました。 ゴルフにはいろいろな楽しみや喜びがある。ツアーで活躍するだけがプロゴルファーじゃないとはっきり感じた瞬間でした。3年勤めたスポーツメーカーを退職し、ティーチングプロという職業を目指すことになりました。ゴルフのレッスンには基本があり、基本に戻れる、戻す場所があるんですね。基本があるからアレンジもあるということを、改めて気づかされました。 両親にはゴルフだけでなく、他のスポーツやチャンスがあればあらゆることを挑戦させてもらいました。だから今の自分があります。30歳という節目まではレッスンも続けていきたいですし、身体のケアを中心にアスリートを支えてみたいと思っています。日本パーソナルヘルスケア協会のディプロマを取得し、「ラクリス」というボディコンディショニングディバイスを使えるようになったので、トレーナーの役割も担えるようになりたいです。 最終的には「コーチ」と「トレーナー」を一人二役でやりたいですね。それが両親に対する恩返しだと思っていますし、シニアツアーで活躍を続ける父の傍らでサポートできたらいいです。来年は二人で日本プロ出場を目指して、予選会に挑戦しようかと話しているところなので、ゴルフ技術もゴルフ理論も探求を続けます。
藤原 健 (インドアゴルフ磐田・39歳) ゴルフは30歳で始めたのですが、それまでは簿記専門学校で学び、監査法人、税理士事務所、社会福祉事業団といった会社に勤めました。取引先の銀行とはゴルフの付き合いもあるということで上司にさそわれてゴルフを始めることになったのですが、すごく楽しくて、すぐにゴルフに夢中になりました。 学生時代からサッカー、テニス、サーフィンといったスポーツをやっていたのですが、ゴルフは長くできるスポーツだと思っていたので、基本から教えてもらいたいとゴルフスクールに入りました。会員権も買いました。知らないことが次から次とでてくる。週末のゴルフだけでは飽き足らずに、フレックス制の会社に転職。ゴルフのことばかり考えている自分もいて、こうなったら仕事にしてしまえばいいと、ティーチングプロを目指すことになりました。 これまでの社会経験から、効率の良い学習法を充分意識していましたから、受講は苦ではなかったです。専門指導委員として教示してくれた先生方が伝える「ゴルフを楽しく伝えてほしい」という情熱は、私の中でゴルフの魅力を上げてくれました。 今年は就労しながら受講、そしてインドア練習場の起業ということも重なり、相当充実した日々を過ごしました。今後も自分のキャリアを生かしながら多角的に事業に取り組むつもりです。ゴルフ人口を増加させることは命題でもありますので、ティーチングプロの方々の事業支援を目指します。
金澤 次男 (フリー・64歳) ※今期最高齢での合格、元プロ野球選手 1977年に社会人野球の三菱自動車に入社し、1982年横浜大洋ホエールズ、1986年日本ハムファイターズ、そして1990年にはヤクルトスワローズ、1995年千葉ロッテと投手として球団に所属していました。プロ野球時代もゴルフは楽しんでいました。 ゴルフは14歳のときに、近所のおじさんが6番アイアンだけをくれたんです。クラブ1本だけ。田んぼでボールを打っては拾って、打っては拾ってと遊んでいましたよ。楽しかったから小遣いためてね、次は8番アイアン。少しずつ買っていってハーフセットまでそろえててね。近所にあった大みかゴルフクラブが初ラウンド。スタートホールのパー5で11。次のパー3でダボ。自信があったのに全くスコアにならない。もういいやと開き直ってクラブを振ったら、思うようにアプローチは寄るしカップに入る。前半47、後半41の88で回ったことは、忘れもしないです。 野球のきっかけは、学生の時に体力測定で投げたソフトボールが53メートル飛んでね。それを見た野球部の顧問が、硬球で投げてと。そしたら118メートルだった。それがきっかけでスカウトマンからオファーをいただくことになったんですね。本当はプロゴルファーか野球か選択に悩んで、野球を取ったんです。当時はパーシモンで280ヤードくらい打てましたし、ゴルフにも自信がありました。 野球界を引退してまもなく、マレーシアPGAのプロテストにも合格しました。当時は3日間で15オーバーが合格ラインだったかな。横浜のゴルフ練習場でレッスンをしたり、お客さんや仲間とラウンドを楽しんだり、ゴルフ漬けでした。そんなにゴルフが好きなら、ライセンスを取りなさいと、程ヶ谷カントリー倶楽部でお世話になっていたプロの遺言もありましたし、今回はタイミングがあってエントリーすることにしました。 ゴルフは本当に素晴らしいスポーツです。ティーチングプロの資格を取りましたから、レッスンをしたいですね。アマチュアの中でも、いきなり難しいことをして基本を飛び越えちゃう。やっぱり基本なんですよ。私は初心者や、ゴルフを何年やっても100切れない人のレッスンをしたいんです。楽しんでもらいたいんです。女性には、どんな時でも美しく、笑顔を忘れなかったら、一緒に回っている人を楽しませることができるということを伝えたい。老若男女問わずできるスポーツですから。シニアツアーにも出場できるように、自分の腕もみがいておきます。