主催者推薦枠の1つ「すまいーだカップシニア優勝者」で、今大会の出場権を先週土曜に獲得したのが、山添昌良だ。初日76、2日目は76と通算8オーバー62位と出遅れてしまった。出遅れたというよりも、いきなり世界のステージに飛び込んでしまい、毎日無我夢中で、いつの間にか戦場にいたという表現が適切かもしれない。
迎えた最終ラウンド。組合せは、87年マスターズチャンピオンのラリー・マイズと、PGAツアーで3勝をあげ、昨年シニア入りしたばかりのクリス・ディマルコとのラウンドになった。山添にとっては、なんとも足のすくむ1日だ。
スタート10番ホールでは、バーディー発進。今日はいいショットの感じがつかめていた。16番、17番で連続バーディーを奪取し、前半で3つスコアを伸ばした。バックナインのスタート1番ホールでは、セカンドショットを50センチにつけて、4つ目の見事なバーディー。このまま勢いがつくかと思っていた。しかし、5番ホールのティーショットはフェアウェイの真ん中を捉えたが、ボールに泥がついていて、ボールコントロールに苦しみ、このホールだけで3オーバー。7番もボギーでスコアを落とし、73ストローク通算9オーバー62位タイで、米シニアツアー初参戦はやりきったのだった。
「最終日は、前半9ホールで3アンダー。いいゴルフができました。だから良かったです」と、ホールアウト後、ようやく笑顔になった。「後半、ショットが不安定になりましたが、これがゴルフ。アンラッキーとか、何があってもおかしくないんですよね」と振り返った。
世界のトップ選手たちとのプレーについては「もう、感激です!雲の上の存在の方たちばかりですから、プレーしながら近くでギャラリーしてました(笑)」だといい、緊張よりも感動が上回って、山添にとっては贅沢な時間だったのかもしれない。
「あこがれのラリー・マイズと一緒ですよ。ショート・ゲームは、まるでゴルフの教科書のようでした。ゲームを近くで見て、また基本に戻ってやらないとと、改めて思いました」と話した。さらに「この3日間で、アイアンの距離感の精度をもっと上げたいと感じましたね。海外の選手は、アイアンショットをやわらかく打っている感じがしました。色々なショットを練習して、技をもっと増やしたい」と、自らに課題を設定した。「そしてまたこういう機会があるのなら、ぜひ世界に挑戦してみたいです」。
山添にとって、今シーズン日本シニアツアーは、新しい成長を促してくれるものになるだろう。