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【全英シニアOP/FR】ランガーが完全優勝!シニアメジャー通算10勝目を飾る

2017年07月31日


全英シニアオープンの最終ラウンド。単独首位でスタートしたベルンハルト・ランガー(59)が、2位に3打差をつけての完全優勝を果たした。この日も厳しい寒さと風の中で、我慢のプレーを強いられた。結局ランガーは、1バーディ2ボギーと2つスコアを落としたものの、2位のコーリー・ペイビン(57)もスコアを伸ばせないまま、トータル4アンダーで全英シニアオープン3度目の優勝を飾った。今季のPGAチャンピオンズでは4勝目を挙げ、シニアメジャーとしては通算10勝目を果たしたことになる。

 

出だしの1番ホールからランガーは、ティショットを左に大きく曲げブッシュへ。アンプレアブルと判断してのボギースタート。3年前、ロイヤルポースコールでの戦いでは、2位に13アンダーをつけて圧勝したが、今年は2位のペイビンとは4打差しかない。ボールをハザードに入れてしまえば、パーセーブは難しく、ボギー以上のリスクもある。

この日は、海からの冷たい風が10メートルの強さで吹き荒れた。時間が経てば経つほど、風は強くなり、苦しいゲームが続いた。我慢のゲームを強いられていた。

それでも、誰もがこのコース攻略に頭を抱える中、ランガーは「大好きなリンクス」と言うように、ピンチになっても慌てることなく、スコアを維持しつづけていた。 

最終18番ホールは1メートルのバーディパットを決めてフィニッシュ。大歓声の中で、ランガーは、めずらしく大きなガッツポーズを見せた。「いや、ずっとプレッシャーはありました。1番ホールの状況から考えれば、いい結果が出せてよかった。こうやってシニアメジャー10勝を達成するのは、本当に大変だった。振り返れば、第2ラウンドはトップタイに5人という状況でしたが、ムービングサタデーで4打差をつけたことで、最終日は守りのプレーでよかったのです」と振り返った。

 

ランガーは精神的な強さの秘訣には「信念である自分の信仰(クリスチャン)による落ち着き」ということを挙げた。そして、「60歳を前にしてこの10年は私の人生で一番いいゴルフが出来ています。それは、20代、30代よりも、50代のほうがゴルフがよくなっているのです。ゴルフのスイング、そして私ができることやできないことが、わかりつつあります。多くの経験に基づいて、今のゴルフが作りだされているのです」と、シニア世代のゴルファーに語りかけるように話した。

大会前日。ランガーの長尺パターの構えが、アンカリングに抵触するのではないか、との記者の質問にも「いや、私はずっとこの構え方でやってきましたし、それはアンカリングをしていない構えです。ですから、ルール変更があったから変えたということもありません。ちゃんとR&Aにも確認を取っています。問題ないということです。私のような立場の選手だから、いろいろ言われることがあるのでしょうけど、私は自分のスタイルに自信があります」と、きっぱりと明言していた。喉頭炎も含めて、大会前からなにかと話題になっていたランガーだが、いざ試合が始まると、ランガーの冷静沈着プレーをつぶさに見せてくれたのだった。

59歳のランガーは、好調を保つ理由に「ゴルフゲームに挑戦し続けること。そして、失敗から学ぶということ」を挙げた。さらにランガーは「私にはコーチであるウィリー・ホフマン、キャディのテリー・ホルト、そして家族みんなが支えてくれている。そういうことが要因となって競争心が強くなって、一生懸命になれるのです」と、ランガーは回りのサポートに深く感謝を示したのだった。

ランガーは、来年カーヌスティー・ゴルフ・リンクスで開催される全英オープン、そして全英シニアオープンのディフェンディングチャンピオンとして挑むセント・アンドリュースオールドコースでの戦いを楽しみにしていると締めくくった。