2日目とはまったく違った天候。地元ウエールズの人に言わせれば、昨日の風速10メートル超は、当たり前で、もっと強風豪雨になることもあるという。昨日の平均スコアが78・525。過酷さは、その平均スコアを見れば一目瞭然だ。3日目の前半組では、デビッド・フロスト(57)をはじめ、65のベストスコアをマークした選手が、6名もいた。後半になって再び風雨が吹き荒れる中、ミゲル・アンヘル・ヒメネス(53)も65。そして同組のトム・ワトソン(68)が、67ストロークで回り、エージシュートを達成している。
ヒメネスは、初日から76・73と精彩を欠いていたが、一気に65をマークして、4位タイまで躍り出た。ヒメネスはスタートホールをバーディ発進し、フロントナインで3アンダーをマーク。その後10、11番を連続バーディと勢いをつけ、13番パー5は10メートルのパットを沈めてイーグル。18番ではガードバンカーに捕まりボギーとしたが、ムービングサタデーの主役の1人になった。
「ムービングサタデーでは、まず、いいスタートを切ることが非常に大事なこと。その後は慎重にプレーを続けても、結果がついてくる。最終日も同じ雰囲気でプレーしたい」と話した。スペインの人気選手が、首位と6打差を追いかけ、シニアメジャー制覇に向けて挑戦する。最終日の台風の目になるかもしれない。
その安定感は、どんな状況でも揺るがないというプレーを見せてくれたのはランガーだった。初日から首位の座を譲らずに3日目を終えて単独首位となった。もし勝てば、シニアメジャー10勝目、全英シニアオープン3勝目という大きなタイトル制覇がかかっている。
「喉頭炎で、ほんとは辛い」とランガーは弱音を吐いていたけれど、プレー態度もショットも、パッティングも、いつものように手堅いプレーを続けていた。無理をしない。かといって守っているだけではない。その攻めと守りどころの上手さは絶品である。
それでも、グリーン上ではバーディチャンスを何度も逃してしまっていた。
「明日の目標はアンダーパーで回ること」だというランガー。「リンクスコースは好きなコース。アンダーパーで回れば、おそらく他の選手は追いつけないと思う。今日のようなゴルフができればいい。勝ちたい」と、まるで自分に言い聞かせているようにはっきりとコメントしていた。
ランガーの5アンダーを追って、2位のペイビン。さらには4位タイのヒメネスが、ランガーの独走を阻止できるか楽しみ。最終日は、再び大荒れの天気予報。それがゲームにどんな影響を及ぼすのだろうか。
◇ European Senior Tour Official Web Page はこちら>>