昨年の日本プロシニア、日本シニアオープンチャンピオンの資格で参加しているプラヤド・マークセン(51)は、厳しいコンディションの中でも、最後まで集中力もショットの調子も切れることなく戦い抜いた。この日は5つスコアを落としたが、149ストローク、トータル7オーバー20位タイで予選通過を果たした。
海に向かって強いアゲンストの風が吹くスタートホール。海岸に沿って長いパー4のホールが4つ続くが、マークセンは、うまく低いボールを打ち、ボールコントロールに集中していた。けれども、風速10メートルのアゲンストの風に体が押されるので、ショットもパットも思うようなストロークがでない。マークセンは前半でスコアを3つ落としたが、ここで焦ったらリンクスの罠にはまることを承知していた。
「今日もほんとうに強い風でした。信じられない。今年の全英オープンよりも難しいと思います。確かに風に煽られてボールは言うことを聞いてくれなかったけれど、ティーショットは、まずまず安定していましたから、バンカーにも入れずに、切り抜けられたのだと思います。ティーショットの調子が悪いと、どうしてもバンカーに捕まる。バンカーに捕まったら最後、ボギーかダブルボギーを覚悟しなければいけない。ドライバーの調子が良かったお陰で、イメージ通りのマネジメントができたと思う。耳が痛くなるほどの冷たくて強い風で、ニット帽をかぶっててよかった(笑)。あまりにも強い風なので、ショットするたびに、体が揺らされるんですよ。戸惑うのは、パッティングのとき。ヘッドが風で揺さぶられて、バックスイングするときに気持ち悪いほどでした。問題は、そのパッティング。ボールは、常に揺れている状態でした。でも転がることはなかったけど、見ていると揺れているので、ほんとに難しい。ともかく集中を切らさないように、ベストを尽くしました」と、ホッとした様子だった。
「このコースの攻略は、ティーショットをフェアウェイにおくこと」だとマークセンはいう。
ラフに入れず、トラップにつかまらずにいれば、充分にチャンスがやってくる。マークセンは、全英オープンで予選落ちをしたが、すぐに全英シニアオープンの会場に向かい、リンクス向けの練習を続けたのが功を奏したのかもしれない。7オーバーは、首位と6打差。同じくタイ出身のタワン・ウィラチャンも12オーバーで57位タイで予選を通過。仲間でありライバルの2人が、決勝ラウンドに駒を進めた。