「全英シニアオープン」の第2ラウンド。初日首位スタートのベルンハルト・ランガー(59)が3つスコアを落とすが、通算1オーバーで首位の座をキープ。また、トム・リーマン(58)、ビリー・メイフェア(50)、マウリシオ・モリナ(50)、スティーブ・フレッシュ(50)ら5名がトップに並んでいる。日本PGAシニアツアーメンバーのプラヤド・マークセン(51)は通算7オーバーで20位タイ。155ストローク、通算13オーバー68位までの82名が決勝ラウンドに進出した。
井戸木鴻樹(55)にとっては、今年が有資格者としてラストチャンスだった。5年前の全米プロシニアの歴代チャンピオンとして出場できる最後の年。井戸木は、その締めくくりのつもりで挑んだ。結果的には、この日83ストロークを叩き、通算20オーバーで予選落ちをした。この5年間を振り返って、井戸木は「世界を見るほど、ゴルフの奥の深さや難しさを感じましたよ。だから、また、それを克服しようとチャレンジする。その繰り返しでしたね」と話した。
井戸木は全英シニアオープンでは予選落ちをしていない。だからこそ、今回予選落ちの悔しさは、本人がいちばん身に沁みているはずだ。
当初から「パッティングが課題」だと話していた。特に、このコースのグリーンは、普段でも読み切れない複雑さがある。ましてや、2日目は、初日以上に強風と雨が吹き荒れていた。リーダーズボードでは、最下位の選手がこの日96ストロークで、通算37オーバーというスコアだった。おそらくこの大会のワースト記録になる。
1番スタート。ティーショットが強烈なアゲンストの風に押され、右のラフへ。さらにグリーン手前のブッシュにつかまり、バンカーへ。思うようなプレーができずにダブルボギー発進となった。続くホールでは、海からの強い横風にも負けずにティーショットをフェアウェイに置き、ボールをグリーンへ運んだが、2メートルの距離が決まらず3パットのボギー。もどかしいパットにずっと苦しめられた。パーオンできるチャンスもなかなかつかめなかった。特にアゲンストでは、得意のウッドを駆使しても、グリーンに届かないホールもあった。首位のベルンハルト・ランガーやトム・リーマンでさえも「ゴルフ人生で、今日がいちばん雨風の辛かった日だ」と口を揃えて言う。
「パッティングが、悪すぎでした。このパットだと、バーディもパーも取れない。3年前の全英シニアオープンでも、最後の最後までパッティングに悩まされました。ここはグリーンが難しいですし、自分の感じで打ててないパットが今回の敗因でした。・・・納得です」と、井戸木は厳しい表情を見せた。パッティングさえ調子が良ければと、悔しい気持ちばかりが募る。
井戸木は、「まず、日本のシニアツアーでは常に上位で、成績を残したいです。やっぱり、日本でも成績をあげて、もっと活躍していないと、全英シニアのようなの厳しい環境でも堂々と戦えないですから。日本に帰ってから、もっと練習して、もっと精進して、努力します。良い成績が評価されて、(全英シニアオープン出場の)チャンスがあれば、そのときに挑戦するかは考えます」と、海外シニアメジャーでの戦いを終えて、すっと気持ちを切り替えた。
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