日本PGAシニアツアーメンバーのプラヤド・マークセン(51)は、スタートから落ち着いていた。どんな状況でもビクリともしないだけの自信を持っている。そしていつも基本に忠実なのだ。自分のゴルフのルーティーンを守ること、そしてティーショットを狙ったポイントに置くというシンプルで難しいことを中心に、こなしていた。
1番ホール。直前まで降っていた強いスコールが止まり、気分よくスタートが切れた。しかし、2番ホールに入ると、海からの強い風に加え、雨が打ちつけてきた。ボールは大きく流され、長く絡まるラフにつかまった。ティーショットをうまく置かないと、パーセーブが非常に難しいコースだ。2番、3番と雨風の洗礼を受けて、連続ボギー。フロント9名物の海沿いのホールでスコアを3つ落とした。それでも慌てないところが、マークセンの強いところである。めまぐるしく変わる天候の変化。雨がやんで青空が見えると、すぐに攻撃をかけた。3オーバーを3つバーディを奪って、イーブンパーでバックナインを迎えた。
それでも吹き付ける強い風、そして時折の激しい雨は、マークセンを苦しめる。14番から続く打ち降ろしのホールでは、セカンドショットに苦戦し、グリーン上でボールが震えるような風の中で3連続ボギーとスコアを落としてしまった。それでもマークセンは気持ちが切れなかった。
「先週の全英オープンより、今週の試合の風が難しく感じています。だけど、練習ラウンドからバーディが獲れるというイメージを作れているので、今日はうまくスコアメイクができました」と安心した様子だ。調子は悪くない。「ティーショットからイメージしているエリアにボールを置けているので、明日もこの感じでいけたらいいですね。明日は、強い風に加えて寒さを克服することがポイントになると思います」と、マークセンは話す。寒さは苦手。強い風、雨、晴れ、雨という忙しい状況に、マークセンはうまく対応できれば、優勝争いにも加われるポジションで初日を終えた。