「全英シニアオープン」の第1ラウンドが27日、ウェールズにあるロイヤルポースコールゴルフクラブ(7,295ヤード、パー72)で行われた。今季チャンピオンズツアーで3勝をあげているドイツのベルンハルト・ランガー(59)が2アンダーでトップ。日本PGAシニアツアーメンバーで参戦しているプラヤド・マークセン(51)は2オーバーにつけて21位タイ。井戸木鴻樹(55)は、スコアを伸ばせず8オーバーで104位タイとなっている。
初日のゲームをリードしたのは、PGAツアーチャンピオンズで通算32勝をあげているランガーだった。3年前。この同じポースコールでの全英シニアオープンでは、2位のコリン・モンゴメリーに13打差をつけて圧勝している歴代チャンピオンでもある。今週は咽頭炎に苦しみ、プロ・アマのパーティも欠場するほど体調を壊している。それでも、他の選手達が苦しむ中、2アンダーの首位で初日を終えた。
「このコースは好きですし、チャレンジしがいがあります。アグレッシブに攻めたり、慎重になったり。打つべきところと、絶対に打ってはいけないところが明解ですからね。今日のところは、自分のゲームマネジメントはうまくいったと思います。まあ、そのゲームプランに沿って、プレーしたのだけれど、この天候の中で結果的に、満足のいくスコアになったと思う」と、ランガーは話す。雨風が吹き荒れた1日だったが、期間中はめまぐるしい天気がずっと続く予報なので、大好きなこのコースで、ランガーは自分のゲームマネジメントをしっかりと実践していえば、勝利につながると言いたげだった。確かに、ランガーのこの日のプレーを見ていると、どんな状況にあっても、動じないプレーぶりだった。
井戸木にとっての初日は、リンクスの厳しい洗礼を受けたようだった。ホールアウト後、「うーん、こんなもんです。どうにもならんですね・・・パッティングがもうちょっといいように決められることができればね。風も強かったですが、突然のスコールでも苦労しました」と、一日を振り返った。そこには格闘したあとの疲労感があった。
スタートホールから、海に向かって打っていくホール。その真正面からのアゲインスト風に翻弄された。ボギーのスタート。今度は、海に沿って打っていく2番ホールは、左真横からの強風。それでもなんとかパーに収めて、流れに乗ろうとしていた。ボギー、パー、パー、ボギーと海沿いのホールを凌いでやってきた5番、パー3。そのパッティングの最中に、突然のどしゃぶりの雨に見舞われた。体が風にもっていかれ、集中が途切れての痛恨のダブルボギー。しかしその後、ポットバンカーからのショットがカップインしたり、20メートルほどのロングパットが入ったりとなんとかラッキーを味方にして切り抜けながら前進してきた。
「辛抱して、辛抱してやってきたんですけど、うーん。16,17番のボギーは、余計でしたね。ともかく風が強くて、パッティングしていても、ストローク中、手が揺れてしまうほどなんですから」と、壮絶な18ホールを語っていた。最終ホールは、寄せのアプローチが直接ピンに当たると、ボールがカップの縁に落ち、バーディフィニッシュ。結果は3バーディ7ボギー2ダブルボギーで、8オーバーは104位タイとなったが、予想カットラインが現状6オーバーなので、明日の第2ラウンドでは最後まで辛抱するゴルフを続けることが井戸木には求められる。