今季PGAツアーチャンピオンズの15戦目でシニアメジャー5試合目となる「全英シニアオープン」が、27日から4日間ウェールズ南部にあるロイヤルポースコールゴルフクラブ(7,010ヤード、パー71)で開催される。日本PGAシニアツアーメンバーより、プラヤド・マークセン(51)と井戸木鴻樹(55)の2名が参戦する。25日(火曜日)には念入りな練習ラウンドを行った。崎山武志(54)と2002年に優勝している歴代チャンピオンの須貝昇(67)は欠場。
24日はマンデートーナメントがロイヤルポースコールの近郊にある4会場のコースで行われ、約400名が参加。今年は上位10%が本戦への出場枠を獲得したが、日本人選手で挑戦したドラゴン瀧、清家和夫、富田正行は予選落ちとなっている。
1987年にはじまった本大会は、チャンピオンズツアーの公式競技となってから15年目を迎える。会場となるロイヤルポースコールは、1895年に開場した歴史の古いコースである。設計は、ハリー・コルト。アリソンバンカーで有名なアリソンの師匠格である。休暇を過ごすためのリゾート地として再開発され、シーサイドにそびえるクラブハウスを含めたリンクスコースの全景は、ウェールズ一屈指の名門コースと高く評価される。3年前に比べると距離はわずかに16ヤード長くなっただけだが、アウトのパー5が一つと長いパー4が多く、難易度も高くなった。13番ホールは579ヤードと最長のパー5が用意されている。
PGA日本シニアツアーメンバーでは、今年2名が参加している。
昨シーズンのシニア賞金王であるプラヤド・マークセンは、2016年の日本プロシニア、日本シニアオープンで優勝し、本大会の出場権利を獲得。さらにマークセンは、今年1月の男子レギュラーツアー開幕戦であるSMBCシンガポールオープンで優勝し、先週行われた全英オープンへの出場も果たしている。今年の全英オープン、全英シニアオープンとふたつのメジャーに連続出場しているのは、マークセンの他に、ディフェンディングチャンピオンのポール・ブロードハースト、ジョン・デイリー、トッド・ハミルトン、トム・リーマン、サンディー・ライルと計6名の強豪シニアたちだ。
世界から144名もの強豪が集まった全英シニアオープン。世界ゴルフ殿堂入りをしているヨーロッパの選手では、ニック・ファルド、ベルハルト・ランガー、サンディー・ライル、コリン・モンゴメリー、ホセ・マリア・オラサバルが出場する。アメリカ選手ではトム・ワトソン、フレッド・カプルス、ジョン・デイリー、トム・リーマンといったベテラン選手たちが揃い、ウェールズのリンクスで戦いを繰り広げる。
指定練習日は、強い日差しが現れたかと思えば、急に雨雲がかかり、強風が吹き荒れた。初日からも悪天候が続くという予報に選手たちは、これがリンクスと言わんばかりに平然と練習ラウンドを続けていた。
大会初出場となるマークセンは、大会の開幕が待ちきれない様子。今回は、日本のレギュラーツアーにも参戦し今年シニアデビューを飾ったタイ出身のタワン・ウィラチャンと行動を共にしている。練習ラウンドでも飛距離や技を競い合い、コース攻略の作戦を練っていた様子。
「後輩が一緒にいることは、とても頼もしいですし、切磋琢磨できるいい関係です。私はレギュラー時代から6回全英オープンに参加しているのですが、練習ラウンドと本戦のコンディションがあまりに違いすぎて、厳しい結果しか出せませんでした。今回は、転がりを計算したコースマネジメントを意識し、いい結果を残したいです」と、マークセンは笑顔を見せた。