日本ゴルフ協会が主催する「第32回日本シニアオープンゴルフ選手権」が、9月15日から18日の4日間、滋賀県甲賀市にあるタラオカントリークラブ西コースで開催される。
タラオカントリークラブは山岳コースで総面積が500万平方メートルと西日本随一の敷地に、東西36ホールある。選手から「モンスターコース」と言わしめる本大会の西コースには、池が11か所あり、全体のアンジュレーションを計算しても、ハザードが随所にちりばめられ、決して油断できないコースレイアウトになっている。2012年に日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯を開催しており、有村智恵選手が日本タイトル初優勝を飾っている。さらに2026年には、日本オープンゴルフ選手権の開催も決定している。
今季シニアツアーの第8戦目となる日本シニアオープンは、全14戦のシーズン折り返し地点でもある。現在賞金ランキングのトップを快走しているのが、シニア2勝を挙げている藤田寛之(25,205,333円)。2位には約740万円差をつけてファンケルクラシックで優勝した鈴木亨、さらに48万円差で先週のコマツオープンをプレーオフで制した深堀圭一郎が続き、トップ10には50歳のルーキー平塚哲二から62歳のベテラン真板潔まで幅広い年代の選手が並んでいる。
今年の賞金ランキング上位入りが目標とはっきり断言しているのが藤田寛之。シニアツアーの中でも高額賞金を狙えるこのシニアオープンで、賞金ランキング上位を確定したいという気持ちは強い。「賞金の高い『秋のシーズン』で積み重ねたい。それとは別に、やっぱりナショナルオープンはすごい大きな勲章だと思うので、勝ってみたいというカテゴリーの位置づけですし、手にしたいタイトルです」と藤田は期待する。ただ、先週のコマツオープン終盤でショットが悪くスコアを落としてしまい14位に終わっている。武器とするフェードの修正が間に合えば、優勝争いにも名前を挙げてくるだろう。
大会ディフェンディングチャンピオンとして挑むのが、シニア4試合に参戦し、現在賞金ランキング18位の手嶋多一。レギュラーツアーとの掛け持ちをしていて、レギュラー9試合、AbemaTVツアー3試合に出場し、休みなく挑戦を続ける鉄人選手のひとりである。「今週の目標は初日、2日といい位置にいること。どんどんフレッシュな選手が入ってきましたしね、いい選手がいっぱいいるので、連覇を狙うという気持ちは強くないです。そういう意味では、去年勝っておいて良かったかな」と頬を緩ませた。コースの印象は「きちんと距離を合わせて、フェアウェイに打たないとダメな設定です。ラフも深いので避けようと頭を使いますし、グリーンはアンジュレーションもあるので難易度が高い。とりあえず、1日2、3つスコアを伸ばせれば。コース自体は苦手ではないので、うまくいけばいいですね」と期待も口にする。
シニアデビュー戦となったコマツオープンでは、最終日の追い上げも届かず悔しい8位に終わった宮本勝昌。シニア2戦目となるシニアオープンでは、自分へのリベンジを果たすことと、永遠のライバルに勝つことを目標に掲げる。「コマツオープンは悔しい3日間でしたが、調子は少し良くなってきたと思うので、気負い過ぎることなく、高みを目指していきたい」。さすがにシニアデビュー戦の初日は緊張したという宮本だったが、思うような調子ではない中でも、トップ10入りを果たしたところは、レギュラーツアー賞金シード選手の存在を知らしめた。
15日の第1ラウンド、宮本は1番ホールから手嶋多一、寺西明と午後12時9分にスタートする。歴代チャンピオンとの注目が集まる組み合わせになるが「手嶋さんは永遠のライバル。まずはライバルに勝たないと」と白い歯を見せた。そして「優勝の自信も手応えもないですけど、やっぱり優勝争いしたい」。シニア50歳の意地、レギュラーツアー現役選手としてのプライドもかけて、宮本らしい伸びやかなプレーを披露してくれるはずだ。
(写真提供:JGA)