小雨が降り続いた最終プロテスト第4ラウンド。50位タイ以内の合格ラインと予想された通算4オーバーを目指す選手、日本プロゴルフ選手権の出場資格を獲得できるトップ合格を目指す選手。それぞれの思いを胸に通算14オーバー・129位タイまでの132人の選手がティーオフした。
通算4オーバー以内のスコアをマークしたなら、晴れてPGAトーナメントプレーヤー資格を手にできる。同組で一緒にプレーする同伴競技者は、トーナメントとは違ってライバルではなく、プロテスト合格を夢見る同志だ。好プレーには、いつも以上に温かい言葉を掛け合う。「頑張ろう」と言葉にしなくても、同じ気持でつながっている。ホールを重ねる毎に互いの緊張感を解きほぐすような表情が自然と増えて行く。
バーディーパットを沈めて拳を握りしめる。パーパットをねじ込んで胸をなでおろす。ボギーを叩いて天を仰ぐ。最終プロテストに向けて練習して来た日々が頭の中を駆け巡る。
最終ホールでボールをカップインさせた選手たちの誰もが、72ホールの緊張感から解き放たれ、一瞬、安堵の表情を浮かべる。そして、合格を確信した選手は笑顔を浮かべ、不合格を悟った選手は唇をかみしめる。涙を滲ませる選手もいた。嬉し涙と悔し涙。それを隠すように小雨は降り続いたようだった。
トップ合格を果たしたのは、68で回り、通算10アンダーでフィニッシュした蛭川隆。2位の小浦和也に3打差をつけ、ただ一人二桁アンダーパースコアをマークした。資格認定プロテスト合格者は通算4オーバー・48位タイまでの55名。全選手ホールアウト後に合格者たちは、記念写真を撮影し、説明会に参加。プロテスト合格を実感しながら、帰路に向かったのだった。合格というゴールテープを切った時から、プロとしての新たなスタートが始まる。さらなる成長を祈るばかりだ。