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トーナメントプレーヤー

<2R>ティーショット・イップスを克服し、背水の陣で合格を目指す市原

2016年08月31日
市原

第1ラウンドで5バーディーを奪いながら、7ボギー・1ダブルボギーと出入りの激しいゴルフで4オーバー・95位タイと出遅れた市原弘章が、この日は4バーディー・2ボギーにスコアをまとめ、通算2オーバーでフィニッシュ。合格ラインの50位タイ圏内に大きく近づいた。

「練習ラウンドではアプローチが良く止まっていたので、本戦でもそのイメージで打ったらカップをオーバーしてばかり。第1ラウンドはアプローチの距離感を出せず仕舞いでボギーを続けてしまいました」。前日はホールアウト後、アプローチ練習場で距離感をつかみ直せるまでボールを打ち続けた。宿泊ホテルに戻ってからは師匠のディネッシュ・チャンドに電話を入れた。「自信を持て」「慌てないでプレーしろ」とメンタル面のアドバイスを受けた。

 市原は今回で4回目の受験。1、2回目は最終プロテストまで駒を進めたものの、合格ラインをクリアーすることが出来なかった。3回目は2次プロテストで突然ティーショットのイップス病に襲われて、最終プロテストすら受けられずに終わった。

「クラブを振り下ろせなくなり、それを無理に振ろうとして首まで痛めてしまいました」。リハビリとイップス病を地道な努力を積み重ねることで克服。4回目の受験に漕ぎつけたのだった。

 長兄は世界ジュニア優勝やツアー1勝を挙げている市原建彦。弘章は市原3兄弟の末っ子であり、最終プロテスト開催の1週間前には建彦が練習ラウンドに付き合い、数々のアドバイスを授けてくれた。「ドライバーの調子が悪くなり出したら、切り返しの間(ま)を作るようにすること」。その忠告を思い出し、第2ラウンドで前日の寄せの練習の成果と相まって、ボギーを2つに抑え、バーディーを4つも奪った。

「ゴルフを辞めようと考えた時期もありましたが、こうして最終プロテストまで漕ぎ着けたのですから、ラストチャンスというか背水の陣で何としてでも合格します。残り2日間とも1アンダーを目標にして臨みます」。

 気持ちのこもった言葉を口にした後、「今日は師匠にも兄にも良い報告電話が出来ます」と急に柔らかい笑顔に変わったのだった。