今季4勝目!記念の「4」サインでポーズしたマークセン
プラヤド・マークセン(50=タイ)が異次元のゴルフで初日から首位の完全優勝を果たした。サスペンデッドになった第3ラウンドの残りホールを消化した段階で通算17アンダーに伸ばし、最終ラウンドは2位倉本昌弘(61)に6打差、鈴木亨(50)に7打差の最終組でスタート。危なげないゴルフをみせて通算20アンダー268とし、2位バリー・レーン(56=イングランド)に8打差をつけた。9月のコマツ、日本シニアオープンに続く3試合連続優勝でシニアツアー4勝目、日本シニアオープンとの同一年公式戦2冠を達成した。
鈴木は自分の問題だったと悔しさをにじませた
それでも、序盤はまず鈴木が1番で3メートル、2番で1・5メートルを入れて追撃態勢。倉本も2番で1メートルにつけてバーディーと、差を縮めた。マークセンは「18ホールあるので、1,2番で取られても特に何も思わなかった」と、動揺はなかった。逆に鈴木が4番で先にボギー。倉本は7,8番で2メートル前後のチャンスを逃した。
倉本は、マークセンの健闘を称えた
付け入るスキはなかったのだろうか。
鈴木 オレが3番も取っていれば。マークセンは本調子ではなかった。シニアオープンの時もそうだったけど、オレと回るときはスキがある。それに付け込んでいけない自分の問題ですね。
倉本 7、8番で外してパッティングがおかしくなった。早く追いついていれば(逆転の)可能性はあったかもしれないけど、逆の立場だったら「誰に抜かれるんだ」って思うしね。なんといってもボギーをたたかないから。
追う側としては早い段階に詰め寄らないといけないところを伸ばしきれない状態で、マークセンを楽にした。マークセンは5番でやっと1・5メートルを入れ、9番パー5では5メートルに2オンさせて19アンダー。だれも追いつけないスコアにしていった。逆に倉本、鈴木は集中力を失うように失速した。
この大会最少スコア21アンダー(2002年陳志明、カレドニアン=パー72)に1打及ばなかったが、異次元の圧勝。ボギーは第2ラウンドで1つ、この日の最終ラウンド14番で左OBをしたが、4打目をピン1メートルにつけてボギーにしのいだ計2つだけ。1992年天野勝以来の3試合連続優勝、2000年髙橋勝成以来のルーキーイヤーでの公式戦2冠をやるべくしてやってのけた。
164センチ、68キロの小柄な体ながら、ゆったりとしたリズムのスイングからの圧倒的な飛距離が強み。ゴルフ場のキャディーをして14歳でゴルフを始めたが「お客さんのプレーを見て、自分で練習した。誰かに教わったことがないので、自分がどうして飛距離が出るのか、自分で説明できない」という。自己流で身に着けたゴルフなので、ブレがないのだろうか。
来年の米シニア、チャンピオンズツアーに挑戦する予定だったが「前の妻の葬儀の日程の関係で、今年は最終予選会に行かないことにした。来年は日本のシニアツアーに出ます」と話した。今後は次週日本オープンに出場後、レギュラーツアー中心に戦う。
シニアツアー今季賞金を5650万円余として、2位崎山武志に2400万円弱の差をつけてトップ。シニアツアーの予定は「まだわからない」というが、「来年以降、米国に行くため賞金王は狙いたい」と、残り試合の中で「マークセン旋風」がまた吹くことになりそうだ。
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