「パットの名手」と呼ばれた山本善隆(65)が、中尺パターで復活の兆しだ。3アンダー69をマークして久々に上位につけた。
通常の長さのパターをずっと使ってきたが、ファンケルクラシック最終日に「堪忍袋の緒が切れて」中尺パターに替えてから「バーディーが取れるようになってきた」という。この日はインスタートで14番で1・5メートル、18番で2メートル、折り返して3番2メートル、4番3メートルと、中尺にする前は外していたような距離もものにして4バーディー(1ボギー)を奪った。「パットがよくなってから、ショットで無理しなくなったからね。ワンピン(約2・5メートル)から5メートルぐらいにつければいいぐらいに思って打つと、ゴルフが易しくなる」という。
握り方は通常のパターの握りの右手を下におろして離して持つというスタイル。「研修生のころ、師匠(新井進プロ)にパットが悪いと、手を離して握らされて打った。こうすると、軸が動かないからね」と、半世紀も前の教えを実行中。レギュラー時代はパッティングのうまさで日本プロや日本プロマッチプレーなどツアー13勝を挙げている。「無理しないでやれればチャンスはあると思う」と、65歳になって自信を取り戻した様子だった。