来年の賞金シード権争いは、今年も泣き笑いのドラマがあった。通算5アンダーでホールアウトした山本昭一(52)は前週まで賞金ランク37位で圏外。もしこの大会で130万円ほどを積み上げれば、望みが出てくる。「回っていて、コースとか肌感覚で6アンダーなら何とかなるかもしれないと思っていた。最終18番で取れればと思ったけど、第1打が左に行って、木の根のところに止まってしまった。出すだけで3打目勝負と思ったんですが」というが、第3打はピン左上のカラーと寄せきれず、パーに終わった。結局12位タイで108万円にとどまり、シード権獲得まで約64万円足りず。「中断になったときは1%の望みがあるから再開を祈った。1番から振り切っていったし、自分本来のゴルフはできたと思う」といい「あー、まぐれの一発があったらなあ」と悔しそう。
スコア提出所でそわそわしていたのは、白石達哉(54)。この日は2つ伸ばして通算3アンダーでホールアウト。前週まで賞金ランク36位の圏外だったが、ボーダーライン上の選手のスコアが伸びず、順位次第で圏内に入れそう。「18番で1メートルぐらいのバーディーパット外してしまってがっくりですよ。どうなるんですかねえ。あまり期待しないでおこうとは思うんですけど、どうしてもね」。順位が確定し、白石は19位タイ。大会本部で最終賞金ランクが出るのを待ち続けた。
賞金ランク上位のうち、出場義務試合(11試合)未消化のマークセン、ファウラー、中嶋常幸が来年賞金シード対象者の順位から外れて、シード権獲得となる賞金ランクは33位までに決定。その33位にすべりこんでシード権を維持した白石は「感激です」と、大会関係者らに頭を下げていた。