「一発逆転」。現実にできるかもしれない。
来季賞金シード権争いが最後の火ぶたを切った。賞金ランク上位30人が得られる来季のシード権のボーダーラインは、義務試合不足選手などを除いて賞金ランク32位まで。743万5000円で32位のバリー・レーンが欠場しているので賞金額は動かない。下の選手はこれを超える、上の選手はさらに引き離す。そんな戦いが「シード権争い」。初日、下位選手の頑張りが目立った。
初見充宣(64)は、当初出場資格がなかった。欠場者が出た場合に繰り上がるウエイティングの1番目だったのと、所属する長野の立科GCが「雪でもうクローズなので。こっちに来れば仲間もいるし練習もできる」と、月曜日に入って待った。尾崎健夫の欠場で繰り上がり出場が転がり込んだ。「失うものはないから」と3アンダー8位スタートに笑みがこぼれる。1番で1メートルにつけてバーディー発進から最後18番パー5では第3打アプローチが10センチについた。「ランク(53位=358万1666円)は厳しいけど、終わった後の楽しみ。大事に、大胆に、あと2日間やりたい」と話した。2位に入ればチャンスがある。
川瀬は4アンダー4位の好位置
4アンダーで4位発進したのが、賞金ランク65位(247万7100円)の川瀬順次(55)。インスタートで3アンダーで折り返し、1番で4メートル、6番で2・5メートルを沈めて一時は5アンダーに伸ばした。「最近、あまり悩んでゴルフをしていない」という。訳を聞くと「パッティングの時のボールの置き方を変えたんです。前は皆さんがやっているようにボールの矢印とかをラインに合わせていたんですけど、合っているのか不安だったんで、真っ白い方を上に向けて、そこに線をイメージして打つようにしたら入りだした」。
単独2位以上ならチャンスが出てくる。「それは難しいでしょう。ただ、不安なくゴルフができているのはいいと思います」と、無欲で臨む。
ベストの中のベストを尽くしたいと溝口
賞金ランク31位(755万6405円)といまのところシード権圏内の溝口英二(51)も必死だ。「順位、気にしています。でも、ゴルフをやっている最中は集中するだけ」という。今季前半戦はトップ10に3回入るなどよかったが、日本シニアオープンで左肩、左手首を痛めて以降6試合では32位が最高と失速し、賞金を積み上げられずに最終戦に来た。
「ごまかしごまかしでは成績は出ないですよね。最後ですし、ベストの中のベストを尽くしたい」と意欲を見せていた。