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シニアツアー

<News・2R>首位の高見と2位崎山は1打の攻防戦。二人とも「優勝は譲れない!」

2016年11月19日

スコア提出所前、先に上がった首位の高見和宏(56)の会見中にやってきた2位崎山武志(53)。普段は仲良しならではの2人の会話。

崎山 いやあ、今日はパターが入らなかった。先輩のがうつりましたよ。

高見 ううう。こっちはめちゃくちゃ入ったの! 生涯一のゴルフだったの!

崎山 念願の最終組対決ですね。

高見 オレのこと、サンドバッグって思ってんだろ。

 その後、パッティング練習をいったん切り上げた室田を含めて3人でテーブルを囲んで軽い食事。そして練習グリーンに向かった。

 高見が自分から「ナイスプレー」というゴルフを見せた。2番で左6メートルを入れる「いいスタート」だった。「ティーショットを曲げたのは4番で左の林に行ってボギーにしたときだけかな。パターが入ればこういうスコアになるんですね」と振り返る。8番で5メートルを入れてから3連続バーディー。12番でカラーからのパターでのアプローチは失敗したが、13、14番ですぐに取り返すなど、この日7バーディー、2ボギーの67で回り、通算9アンダーにスコアを伸ばした。後ろを回る崎山、室田のスコアがわからなかったが、上がって来ると2人とも8アンダー。トップに立っていた。

 「崎山には勝たせたくないよね」という。理由は?「自分が勝ちたいから(笑い)。あいつ、調子が悪い時は『もうゴルフやりたくない』とかぐちゃぐちゃ言ってたのに、調子がよくなってくると鼻歌だもん。勝たせられない」と、闘志むき出し。公私ともによく知るだけに、相手の弱点も知っている?「明日は静かーに行って、最後に1点(1打)勝てばいいでしょ」と、小さな声で言った。

 シニア入りした2010年と12年にファンケルクラシックを制したが、その後優勝から見放されている。昨年のこの大会では、コースは違う(成田ヒルズCC)が、優勝争いを演じた最終日に18番で池に入れて3位と悔しい思いもした。4年ぶりの優勝へ、いい相手との闘いに気持ちも上向く。

 崎山にとっても、何としても勝ちたい試合。しかも、先輩の高見に加えて、今の目標である賞金ランク2位を争う室田が同じ2位グループにいる。

 「後半伸び悩みましたね…完全にパッティングです」。

 前半は最終組で水巻とバーディー合戦。7番で1・5メートルにつけ、9番パー5では右のサブグリーンのエッジから第3打を4メートルと寄せきれなかったパットを沈めるなど3つ伸ばした。「後半は10番で1ピン(約2・5メートル)を外してしまった。ラインに迷ったんですね。そこからパターが悪くなって、15番で3パット、17番で1メートルを外した。18番でも1メートルのバーディーパットが入らなかったんです。途中で勝手に手が動いてインパクトが強く入ってしまったり」というのが、スコア提出所で高見と顔を合わせた時の会話につながっていく。

 米チャンピオンズツアー最終予選の欠場を決めて、国内残り2戦に臨むのは優勝がほしいから。「相手はだれでも、自分のパッティング次第です」。暗くなるまで練習グリーンを離れなかった。

(オフィシャルライター・赤坂厚)