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シニアツアー

<News・1R>崎山が「海外メジャー出場は室田に譲れない」

2016年11月18日

 何か、ふっきれたものがあるのかもしれない。

 崎山武志(53)が6アンダー66で首位に立った。各選手がライン読みに苦しむグリーン上。崎山は割り切った。「みんな、たぶんラインに悩んでいるんだと思います。自分は、インパクトを強くしたり弱くしたりいろいろやるんですけど、今日は一定のタイミングでやりました。フックかスライスか、迷うようなラインの時はまっすぐだと思って打ちました。上出来でした」と振り返った。

 そう割り切ったのは4番。左5メートルのバーディーパットが「フックにもスライスにも曲がりそうに見えまして。わからないんで、まっすぐって思って打ったら入った」というのがきっかけ。5番で左奥のカラーから10メートルほどを「寄せようと思った」のが最後に切れてカップに入った。8番では3メートルを「また微妙なラインでスライスなんだけど薄く読んでカップを外さなくてよかった」と、ここから3連続バーディー。「わからなければまっすぐ」の作戦が成功した。

 本来なら今週後に米シニアのチャンピオンズツアー最終予選に出場する予定だった。夏場以降、調子を落とし「クラブを持ちたくない状態までなった」という。「通りたいと思って行くんですから、いい状態で行きたいと思いました。行く限りは自信もっていきたいので、今回は受けないことにしました」と、急きょキャンセルした。そして、現在賞金ランク2位を守って、来年の海外メジャー3試合(全米プロシニア、全米シニアオープン、全英シニアオープン)出場資格を目標に変えた。先週の福岡シニアで優勝争いに食い込む2位と、調子が上向いてきている。

 その賞金ランク2位を争う相手が、3位で崎山を400万円弱の差で追う室田淳(61)。崎山の1組前で、6アンダーで先にホールアウトした。1アンダーでインに折り返した後から力を見せた。13番から2・5メートル前後を入れる4連続バーディー。それでも、この日のプレーには「ドライバーでいいのがでたのは16番だけだったね。フェアウエーにはいくんだけど芯に当たっていない」と、納得がいっていない様子だ。

 賞金ランク争いに水を向けると「オレの場合はもうシーズンが終わっているから」という。すでに賞金王がマークセンに決定し、来季の3つ海外メジャー資格を得られる2位争いにも「今年の全米シニアオープンでメジャー20試合目だったので区切りにしている。もう行かないよ。まあ、その時になってみないとわからないけど」と、こちらにもあまり興味を示さない。ただ、崎山に楽をさせたくない気持ちはあるようだ。「夏場以降、あいつもだいぶよくなってきたからね。崎山にハッパかけといてよ。お前が頑張らないとあかんぞってね」と、笑った。

 崎山に、室田の言葉を伝えた。普段から一緒に行動し、シニアになってからいろいろと学んできた。苦笑いしながらも背筋をピンと伸ばしながら「室田さんに勝てるようにやりたい。自分は本調子じゃないので、頑張りすぎないようにします」と受けて立つ。

(オフィシャルライター・赤坂厚)