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シニアツアー

<KBCシニアオープン・FR>大詰めで痛恨のOBを放った渡辺が得た教訓

2016年10月15日

 16番ホール終了時点でのスコアは通算10アンダー。単独首位に立っていた渡辺司は、17番ホール、550ヤードのパー5を迎えた。

「ボールを強く叩いて少しでも飛距離を稼ごうと思ったんです。パー5は距離を出した方がアドバンテージになりますからね」

 普段通りのスイングとは違って、力が入った分だけ体はそっくり返った。ボールは右方向へ飛び出した。OBエリアに飛んで行ったのはインパクトですぐに察知できた。痛恨のダブルボギー。渡辺は首位の座を自ら落ちる形となった。

「16番ホールを終えて、まだ自分は首位を追い掛けていると思い込んでいたのです。自分のスコアと立ち位置が分からないままパー5ホールを迎えた。速報版で順位を確認できたら、また違った攻め方をしたかも知れません。でも、他の選手も皆同じ環境でプレーしているのだから、そのことを言っても仕方ないですよね」

 通算9アンダー首位の真板潔に遅れること一打。単独2位で最終18番パー4ホール。パーオンを逃し、グリーンに向かった。ピンまで22ヤードの3打目アプローチショット。チップインさせるしかないことを、グリーン右サイドのリーダーズボードでようやく確認できた。サンドウェッジを選択し、ピンを果敢に狙ったが、ボールは2メートルオーバー。渡辺の逆転Vのチャンスは途切れ、集中力も切れた。最終ホールをボギーとし、通算7アンダー・2位タイでフィニッシュしたのだった。

「力んだ時には(ショットは)曲がるんだよ!ってゴルフの神様が教えてくれたね」と渡辺はポツリと呟いた。

この教訓を生かさずには、いられない。