「ショットは安定していました。パットは長いのも入ってくれました。グリーンを外したのは1回ですからね。ラッキーもあって、良い一日でした」
6バーディー・ノーボギー66をマークして6アンダー単独首位に立った米山剛は、笑顔が止まらない。「ボギー無しは、やっぱり気持ちがいいですよね」
大会前夜、グリーン保護のために散水が施された。「グリーンは硬くて速い!ってイメージを持っていたのですが、(散水で)少し軟らかくなり、スタートホールでは少し戸惑いました」というが、その1番ホールでのバーディー奪取で勢いに乗れた。フロントナインで4バーディー、バックナインでは2バーディーを奪って順調にスコアを伸ばし続けたのだった。
米山は「笑顔でプレー」を信条にラウンドしている。レギュラーツアー時代のTV中継で映し出された自分の表情をビデオで観て思った。何てしかめっ面をしながらボールを打っているんだ。シニアツアーは選手をギャラリーが盛り上げてくれるし、そんなギャラリーに試合を楽しんでもらうためにも自分自身が楽しそうにプレーしなければ、と考えたことがそもそものきっかけだったという。
「笑顔でいたなら前向きなれる。たとえショットが悪かったとしても笑顔を絶やさなければ次のショット、次のホール、次の日に対してポジティブになれますからね」
気分転換に夜はお酒を嗜めば、暗い気持ちも吹っ飛ぶ。
インタビューを受けている米山の横を倉本昌弘が通りすがりに大きな声を掛けた。
「初優勝だぁ!!」
それに応えるように米山は言った。「ですよね。単独首位で最終日を迎えるのは今年2回目。たまには思い切りプレーして行きますか」。
絶やさぬ笑顔でシニア入り後初の「勝利の美酒」を味わえるか。明日の最終日最終組スタート。スマイリー米山の試金石となる。