3年前の2014年から大会最終日の恒例となったのがパー4ホールに設定される「ワンオンチャレンジ」。14年大会では6番ホール、昨15年大会からは13番ホールで行われるようになった。今大会では296ヤードの距離に設定され、ワンオンに見事成功し、イーグルパットを決める。あるいは、惜しくもグリーンを外しての2打目をチップインさせた選手全員に賞金10万円が贈られる。
「リスク・アンド・リターン。グリーン左手前に池が配された13番ホールをドライバーで果敢に攻める。そのリスクをクリアーしたならイーグル、またはバーディーのご褒美を得られます。試合の流れを左右する一打になるでしょうし、それを見守るギャラリーにとってはシニアプロの豪打を楽しめます。
ティーグラウンドで選手たちは上空の雲の流れから風向きを読みますが、今日は右から左へ動いている。しかし、グリーン上では左からアゲンストの風が吹いているのです。ピン位置はセンターめにしてありますが、実はピンに向かって真っすぐに打つことがワンオンチャンスを高めるのです」とは平野浩作トーナメントディレクター。
パー4ホールでワンオンにチャレンジすることで選手もギャラリーも盛り上がる。ワンオンしたなら歓声と拍手が沸き、グリーンを外すと落胆の声が漏れる。選手とティーグラウンドを囲むギャラリーとの一体感と親近感が密になって行く。
残念ながらワンオン・イーグルを達成した選手は、ついに出なかったものの、ワンオンに成功した中根初男は「グリーンを捕えてのイーグルパットは15メートルの下りラインでした。OKパットの距離にボールは止まり、バーディーでは上がれましたね。まさにドライバー・イズ・ショー、パット・イズ・マネーの要素を満たしたこの設定は、ギャラリーも喜んでくれていると思います。来年はバシッとパットを決めたいですね」と白い歯を見せた。