構えて打ちさえすれば、ボールはカップに沈んでくれた。自身にとって今季シニアツアー3戦目で会心のゴルフを展開したのは横山明仁だ。第2ラウンドはアウトコース2組目でスタートして1、4、6、7、9番ホールでバーディーを奪った。
「4、5メートルのミドルパット、入れたい距離のパットが入ってくれました。昨日、めげずに踏ん張ったからの結果かも知れませんね」
第1ラウンドでは2連続バーディーと好発進したものの、4ホール目(10番スタート)のティーショットを左に大きく曲げてしまった。暫定球を打ってから1打目が消えた方向へ向かった。ボールは白杭の外側にあった。OB。「せっかく良い流れで来ていたのに、ガクっと気落ちしましたよ。でもね、今回は推薦枠での出場ですから、いつも以上に頑張らないと、いつも以上に良い成績を残さないとの思いが強い。だから、踏ん張れましたよ」
一時は1オーバーまでスコアを落としたが、その後は盛り返してイーブンパーでフィニッシュしたのだった。
今季シニアツアー出場優先順位36位の横山には、出場チャンスがなかなか巡っては来ない。少ないチャンスを生かして来季につなげるしかない。再来週に開かれる後援競技の北関東シニアオープン予選会に出場し、1アンダーをマークして出場資格を得た。「予選通過はやっぱり気持ちいいし、自信にもつながるし、モチベーションも高まるよね」と横山。その勢いで臨んだ自身3試合目のシニアツアーで、今季自己ベスト66をマークしたのだ。「試合勘にイマイチ欠けているけれど、出場させて頂いたことに報いるためにも一生懸命プレーしているだけ。そのご褒美スコアでしょう。明日も一打一打に集中してプレーするしかありません」
通算6アンダー・9位タイにジャンプアップした横山だが、明日はベストテン入りを目指すとは言わなかった。「目標?ひたむきにプレーするだけですから」と謙虚なコメントを残してクラブハウスを後にしたのだった。無欲のプレーに徹した横山にシニア初Vの奇跡が起こるか!?