7バーディー・ノーボギー65の今季自己ベストで秋葉真一が13位タイに急浮上した。前日は3バーディー・3ボギー・1ダブルボギーの2オーバー37位タイと出遅れたが、優勝争いに加わる「大爆発」の起爆剤になったのはドライバーショットだった。
先週のアルファクラブCUPシニア最終日はトーナメントリーダーでいながら、自ら優勝のチャンスを手放してしまった。通算14アンダーの単独首位から12番ホールでボギー、13番ホールではOBショットを放ってのダブルボギー。その記憶と悔しさはまだ消えてはいない。
第1ラウンドは、V逸のショックが癒えていないかのようなショットが続いた。
「昨日は出だしのティーショットを左に引っ掛け、次のホールも左。そして3ホール目は右に打ち出しての3連続ボギーというバタバタでした。一緒に回った(渡辺)司さんや(尾崎)直道さんに迷惑を掛けっぱなしでしたよ。ドライバーショットがもう不安で不安で仕方なかった。
何とか踏ん張って2オーバーで上がったと思うくらいですよ」
ホールアウト後、ショット修正のために練習場でボールを打ち続けた。そんな姿を見た崎山武志がスイングアドバイスした。「左脇が空いているよ」。秋葉はその指摘を自分なりに解釈し、スイング矯正した。左脇を締める意識を強めて振るように心掛けると、ショット復調の兆しが見えた。
第2ラウンドはインコーススタートとなり、10番パー4ホールで2打目をピンそば1・5メートルに着けた。それを確実に沈めてのバーディー発進は、ショットの不安を一掃するのに十分だった。14番ホールは1・2メートル、16番ホールは4メートルのバーディーパットを決め、前半は3つスコアを伸ばした。後半に入っても好調さは続き、1、2、6、8番ホールでバーディー奪取。4、5メートルの距離のパットも決まっての7バーディー・ノーボギー65でフィニッシュ。前日の渋い顔とは真逆の明るい笑顔でスコアカード提出所から秋葉は出て来たのだった。
「パットも良かったし、アイアンは切れた。65は満足できるスコアですが、ゴルフの内容的にはまだまだ不満というか不安はあります。ドライバーショットの自信がまだ少し……。このコースはドライバーショットを少し曲げるとOBが待ち受けるホールもあるから」。
ショットの不安を振り払い、自信を持ってドライバーを振り抜く。その礎を築くために秋葉は第2ラウンド終了後も練習場へ向かった。ドライバーを左手に持ち、肘を支点に振りながら。それは左脇を締めて振り抜くという意識づけであり、OBショットを優勝争いでも打たない誓いの仕草に見えた。
負けた試合から学ぶことは数多い。第3ラウンドは、秋葉の学習能力が問われる。