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シニアツアー

<News・1R>イーグル奪取発進・最高のゴルフでも2位に終わった高見の本音

2016年09月08日

 ここ2試合ほど体調もゴルフも良かったけれど、スコアには結びつかずにいた。その鬱憤を晴らすかのように高見和宏が、1イーグル・4バーディーの66をマークし、首位に1打差の2位で第1ラウンドを終えた。

 首位に立ったのは同組でラウンドしたプラヤド・マークセン。

「マークセンには敵わないわ」と苦笑いしながらも高見はその言葉は、どうやら本気ではないらしい。

「自分としては最高(のプレー)でしたよ。グリーンを1回も外していないし、アプローチもしていない。久々の会心ゴルフだった。ショットが曲がってもライが良くて、次のショットには問題ないというツキもあったね」

 パー5のスタートティーに立った際、風雨は強まるばかりだった。しかし、不思議な出来事が起きた。

「信じられないくらいの会心のドライバーショットが飛び出し、マークセンよりも飛んでいた。あの強烈なアゲンストの中ピンまで残り235ヤード。どうして、そんなに飛んだか分からないくらい(笑)。その2打目を残り27ヤードまで運んで3打目をサンドウェッジで打ったら入ちゃった(チップイン・イーグル)」

 一方のマークセンは2打目、3打目をミスし、4打目でグリーンカラーまで運んだだけだったが、それをチップインさせてパーには収めた。続く2番パー3ホールではクラブ選択を誤り、グリーン奥のバンカーに打ち込み、2打目はバンカーから出すだけだったが、長いパーパットを沈めてまたしてもパーセーブ。マークセンの派手なゴルフはまだまだ続いた。

「5番パー5のグリーン左バンカーは、今日のピン位置では絶対入れてはいけないバンカー。そこに捕まったけれど、マークセンは多彩な寄せでピンにピタリと着けて、パーなんですよ。要所要所はしっかり締める、決めるプレーをするし、怒りをあらわにすることもあるけれど、マークセンは構えた時にはショットに集中し、怒りを消し去っている。ある意味、僕は一番間近にいるギャラリーでした。お蔭で良いプレーも観られたし、緊張感ある中でプレーもでき、マークセンに乗っかった感じのスコアかもしれません」と高見はこの日のゴルフを分析してみせた。

 その後、マークセンは6番ホールからの残り13ホールで7つものバーディーを奪ったのだ。それに対し、高見は6番ホール以降、バーディー数は3に止まった。

「とにかく今日のゴルフは出来過ぎ。トップでないのが悔しいね(笑)。マークセンはリカバリーのアプローチが上手く、パットも入る。でもグリーンを外すこともあれば、短いパットも入れ損ねることもあった。マークセンも人の子だと思ったよ」

 首位のマークセンが完璧ではないことも同組でラウンドして知った。高見の強みはまだある。

「マルハンシニア太平洋から新しいアイアンを使い出しました。飛ぶから1番手下で打てる。クラブが短くなる分だけグリーンを楽に捕えられる。見た目もやさしいアイアンで、シニアはこれくらいのアイアンに限る。何とか良い成績を出さないとクラブメーカーのスタッフにも申し訳ない」

 第2ラウンドは最終組で再びマークセンとラウンドする。「明日、首位に立つのは自分だ」という言葉を高見は、あえて口にはしなかった。