「今日も楽しくプレーさせてもらいましたよ！ありがとうございます」と、米山は笑顔でホールアウトしてきた。４バーディ、ノーボギー。首位のマークセンとは３打差の３位タイ。いつも以上に明るい笑顔は、自分自身が満足の行くプレーができたという、達成感の表れなのだろうか、それとも幸運に感謝した表情だったのか。
雷雲接近によるプレーの中断から、米山のスタート時間まで５時間待った。「車の中でゆっくりと過ごしてました（笑）。しっかり練習もできましたし、お腹も減るだろうから、スタート前にカレーを食べて、自分のペースで過ごしましたよ」と、自分のペースを作っていた。
米山は、このコースはティーショットが難しいと言った。スタートホールでは「プレッシャーもあったからか、風も読み違えて、ティーショットを左に大きく曲げてしまったんです。一瞬、ＯＢかと思ったんですけど、ボールが運よくラフに残っていたんです。そこを、うまく切り抜けて、波に乗れたのだと思います」とナイスパーセーブのスタートを切った。その後も慎重なプレーが続くが、運にも助けられた。８番ホールのティーショットも、１Ｗか３Ｗか悩んだ挙句、ボールは右に飛び出てしまった。これも不安が招いた結果と、肩を落としたが、ボールはラフに残っていた。ラッキーだった。総ヤーデージの距離も短く、パーオン率は１００％。午前中のプレー中断でスタートが遅くなっても、プレーが乱れることなく、最後まで自分のペースにきちんとはめられた。「コースコンディションは最高ですよ。気持ちよくプレーさせてもらっています。雨の影響でグリーンも止まりますし、コントロールはしやすかったですから」と、振り返った。
タフなコンディションでも、バーディを重ねることができ、ボギーフリーでの初日の成績は「上出来ですよ！」と米山。先月のファンケルクラシックでは５位、広島シニアは２位、アルファクラブで４位と、あと一歩の悔しさが続いているが、夏オトコが本領を発揮しつつある。「（優勝も）そろそろしたいですよ。最近、そろそろ・・・ってずっとインタビューに応え続けていますしねぇ」と、本人が一番強く優勝を望んでいる。昨年のコマツオープンも９位フィニッシュで、イメージはわるくない。
「あと２日、インタビューしてもらいたいんで、がんばります！」。明るい表情を見せながら、米山は自分にいいプレッシャーをかけるような力強さを感じた。