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シニアツアー

【NEWS・2R】明日もバーディー合戦。乗り遅れないように、開き直って、思っていることをできるようにしたい」と米山剛(51)

2016年09月03日

 スコアを確認している米山に、大会ホストプロの飯合が「頼むよ!」と気合を入れた。この日、コンランが8アンダーで一気に首位に躍り出ると、次にはマークセンが次々とバーディーを積み上げてツアー記録の60をマークし、初日51位から一気に首位に並びかけた。日本勢も3人が首位タイ。意地をみせたいところだ。

 初日首位に立った米山。1番パー5では第2打を7番アイアンで1メートルにつけるイーグルでスタートした。流れを悪くしたのは5番。60ヤードほどの第2打を「スピンかけようとしてヘッドアップしてしまった」と、完全にトップしてグリーンを越えた。カート道のわきにある側溝に入ったため、無罰でドロップしたもののボギー。そこからチャンスをまったくものにできなくなった。12番で4メートルが入って再度ギアを入れ、3連続バーディーなどで何とか首位をキープした。

 「マークセン、おかしいでしょ。昨日、真剣にやれよって」と、マークセンの12アンダー60には笑うしかない。ただ、まだ並ばれただけ。「実は、単独トップって、シニアで初めてだし、しばらくなかったから(雰囲気などを)忘れてしまっていて、居心地悪かったんです」と苦笑いする。それでも、スコアボードがレギュラーツアーのように各所にないため「スコアを気にせず、自分のペースで回れるのがいい」という。

 昨年シニア入り。2度優勝争いしたが2位だった。今季も先週の広島シニアでプレーオフ負け。優勝争いには「慣れて」きたが「優勝」の2文字には届いていない。「最終日もバーディー合戦になるでしょう。乗り遅れないように、開き直って、思っていることをできるようにしたい」と言葉を選んだ。

 この日のうちに開き直ったのが、室田だった。16番から上り3ホール連続バーディーで、首位に並んだ。11番まで4つ伸ばしたが、チャンスはたくさんあったことで「全然ダメだったのよ」という。13番でボギーをたたき、15番で2メートルを外した。流れが悪くなったところで16番。「5、6メートルだったかな。開き直って打ったよ。いいのが入った」と振り返る。「やっぱり考えすぎちゃ、ダメだね。うまく打てたって、ラインが違えば入らない。思い切りなんだってわかっていても、できないのがゴルフなんだよな」と笑う。

 「明日? 明日のことはわからない。いい試合はできる」と、いつものように勝ち負けの予想はしない。それでも「開き直り」で勝負ができる位置にいることは十分わかっている。

 「マークセンにはびっくりだね。違うコース回った? ショートコースじゃないんだから」と、スコア速報のパソコンをのぞき込みながら、首位に並んだ秋葉が笑う。16番で3メートルのバーディーを沈めた後、17番パー5では第1打が「思ったより左にいったんですけど、木の間を抜けてくれた」という運にも恵まれ、第2打で右1・5メートルに2オンし、イーグルをものにした。5番まで1ボギーと、序盤は「バタバタで、今日はバーディーが取れないんじゃないかと思った」という。ただ、プレーが速い倉本昌弘とのラウンドで「会長と回るとリズムがいい」と、6番のバーディーから徐々にペースをつかんで首位タイまでたどり着いた。

 昨年11月のフィランスロピーで初勝利を挙げ、今季2戦目のノジマチャンピオンカップで2勝目。優勝争いは慣れている?「でも、余裕ないですよ。室田さん、マークセン、崎山も来てるでしょ」。勝つためには?「グリーン上だと思います。どれだけ勇気をもって打てるか。ビビったらだめでしょうね」。

 通算10アンダーに5人並んだ。1打差に連覇を狙う崎山も来た。3打差には5人いる。ビッグスコアも飛び出した。ここは、攻めるしか、手がなさそうだ。

(オフィシャルライター・赤坂厚)