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シニアツアー

<広島シニア・FR>3年周期Vのジンクスを一蹴した真板!自身初の年間複数回優勝で賞金ランク4位に浮上

2016年08月26日

 通算10アンダーで首位の座を分け合った米山剛、冨永浩とのプレーオフ決戦。同2ホール目でフックライン・4メートルのバーディーパットを沈め、今季2勝目を飾った真板潔。前日は1イーグル・3バーディー66の4位タイ。首位とは2打差の好位置につけていたのだった。

「出だしの3連続バーディーでもっとスコアを伸ばせると思ったのですが、途中で止まってしまいましたね。(7番ホールでボギー後の)9番ホールでバーディーが取れて流れが良くなりました。11、14番ホールでもバーディー奪取できましたが、16番ホールでの3パットが悔やまれる。7、16番ホールのボギーがなければ…」と優勝会見の席上で真板はそう振り返った。

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プレーオフも厳しい展開が続くと思われたが、真板は自分の力を信じた

 シニアツアー入りし、10年PGAフィランスロピーで初優勝、2勝目は13年コマツオープン。「3年周期V」のジンクスもあり、今16年は那須霞ケ城シニアですでに3勝目を飾っている。年間複数回優勝は真板自身初めてのことだが、いずれも二日間大会だったことから「4日間大会でも優勝できたら」の思いは強い。

「年間2勝が自信につながるかと問われて、決してつながるとは言えない…。自分が強くなって優勝したという感覚がないから」

 今季1勝を飾った表彰式でのこと。どこからか声が聞こえた。「お前が強くなったんじゃない」。その言葉を否定する気は真板にはない。左膝痛は治まらず、テーピングをし、痛み止めを服用して試合に臨んでいる。試合以外でのコースラウンドは極力控え、試合でゴルフ観を養い続けている。今季シニアツアー3戦目のKYOURAKUシニア、同6戦目のマルハン太平洋シニアは練習ラウンドをせず、練習場でボールを打つだけで本戦に出場したほどだ。

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真板は優勝副賞のマツダ・ロードスターも手に入れ、大会を締めくくった

「自分の現状の力を維持しているだけで、成長したわけではありません。かつてのトップ選手たちの力が衰えたことでチャンスが増えた」と真板は自己分析している。体調を整えることを最優先させ、ラウンド数はレギュラー時代よりも格段に減ったが、その分試合でのコースラウンドに新鮮さを覚えていた。開き直りもある。たとえミスショットが飛び出してもそれを受け入れられる気持ちの余裕と穏やかさを備えた。

 開幕戦から使用している新ボールのお蔭でドライバーショットの飛距離は15ヤードもアップした。ショットの調子は良く、ごく身近な人には「今年はもっと勝つよ」と伝えていたほどなのだ。

「出場する試合は、勝ちたいとはいつも思っていますよ。年間2勝したとしても、何十勝も挙げている室田(淳)さんとは月とスッポン。スッポン真板でこれからも頑張って行くだけです」。

真板は謙遜しながらも、その言葉の端々から日本タイトル奪取を視野に入れていることを感じさせた。シニア賞金王争いは、新たな章に突入だ。