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シニアツアー

<広島シニア・1R>花咲く時を待つ。無欲を悟ったゴルフで単独首位に立った渡辺

2016年08月25日

「ていたらくの毎日で、スコアも出ないゴルフが続いていたので、神様が哀れんでくれたんでしょうか」。

 8バーディー・1ボギー64のこの日大会ベストスコアをマークして単独首位に立った渡辺司は、久しぶりの好スコアをそう評した。

 昨年から首を痛め、左手から首にかけてのシビレが収まらない。「体のケアを怠って来たツケでしょうね」。狭窄なので治らない。就寝中、右肩が下になった寝相になると、シビレが強まり目覚めてしまうほどだという。以前はブロック注射で痛みを抑えていたが、内臓に負担が加わるため、その治療も封印した。出来るだけゴルフをしないのが最善策。ショット練習は控え、パッティンググリーン上でボールを転がすことも少なくなった。

 今年4月、ノジマチャンピオンカップの際、箱根神社に詣で、おみくじを引いた。「花が咲いて枯れた状態。時を待ちましょうと記されていたんです。どれくらい待てばいいのか。ようやく気持ちの踏ん切りがつき始めました。欲や邪念がなくなった。飛ばそうとか、しっかり振ろうとか思わない」。

 箱根神社へ一緒に出掛けた三好隆の活躍にも刺激を受け続けていたものの、思うような結果を出せない日々が続いていた。先週のファンケルクラシックでは第1、2ラウンド合わせて7回もの3パットを打った。

「一年中ゴルフをしていたら、たまたま自分に合う(コース)もあるでしょう。明日(の最終日)は自分の出来ることをボチボチやりますよ」

 欲がなくなったことでパットストロークが良くなり、この日唯一のボギーは下り7メートルのパットを2メートルオーバーさせ、返しのラインを読み誤ってのこと。「体がどれくらい頑張ってくれるか次第ですよ」と渡辺は無欲をアピールした。15年アサヒ緑健カップTVQシニア以来のシニアツアー通算6勝目達成が、待ちに待った花咲きの時となる。