NEWS
シニアツアー

〈FANCL CLASSIC 2R〉久保は逃した大魚の代わりが見つかり、明日は大魚を吊り上げる

2016年08月20日

「やっちゃいましたよ。いつもの癖で…」。スコアカードを提出し、久保勝美は日焼けした顔をクシャクシャにし、頭をかきながら照れ笑い。第2ラウンドは5バーディー・2ボギー69で回り、通算6アンダーとして首位の座に並んだ。

 通算8アンダーに伸ばしてからの2ボギーを悔やんでの「やっちゃいましたよ」と思われたが、実際は違った。「最終ホールで三好(隆)さんがバーディーを取ったら『先にスコアカードを提出してくださいよ』ってお願いしておいたのに、ついいつもの癖というか流れで僕がすぐにスコアカードを提出してしまったんです。ホントに申し訳ないです」

 同スコアの場合、スコアカードを先に提出した選手が、後に提出した選手よりも翌日のスタート時間は遅くなる。トーナメントリーダーのスコアともなれば、それは最終組になるか、その前の組になるか。優勝を争ううえでも大きな要因になってくる。

 今季シニアツアー前半は思うような結果を出せずにいた。その原因は使い慣れたドライバーヘッドが割れてしまい、それに匹敵するヘッドを探し求めたが、なかなか見つからなかったことだった。

 逃した魚は大きかったではないが、割れたヘッドは「ボールをよく弾いてくれたし、コントロールもしやすかったし、インパクト音も良かったんです。何個も試しましたが、弾き感、打球音、操作性の3拍子が揃ったヘッドにようやく出合えたのです」と久保。

 ヘッド内部に注入するウレタンの注入方法を変えたヘッドをクラブメーカーに7個ほど作ってもらい、ようやく「これだ!」というヘッドが2カ月前にようやく見つかったのだという。

「ショットが安定し、飛距離も戻って来ました。お蔭でアイアンショットも復調し始めたのです」。

15年シニアツアー開幕戦「金秀シニア」以来のツアー2勝目を「いつもの癖で」決まった最終組で飾れれば、三好に対して最高のお詫びになる。大魚を逃して、優勝という大魚を吊り上げられるか。