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シニアツアー

〈FANCL CLASSIC 2R〉欲張らない気持ちとプレーで冨永がベストスコア更新、初優勝に前進

2016年08月20日

「来るのが遅いんだから(笑)」。

最終ホールもこの日のゴルフを象徴するように、確実にパーオンさせ、パターを小脇に抱えてグリーンに向かう。フェアウエイサイドにいた大会オフィシャルカメラマンの姿を見て、冨永浩はニコニコ顔でそんな声を上げたのだった。

 前日の第1ラウンドは1バーディー・1ボギー・1ダブルボギー74の42位タイと出遅れた。「ショットはそれほどではなかったけれど、パットが入らなくて。パットラインがほんの一筋違って決まってくれない。別にストロークが悪いわけではなかったから、明日になれば入るだろうってポジティブに考えました」

 寝て起きれば別人。冨永はインコース10番ホールからのスタート。12番ホールで5メートル、14番ホールでは3メートルを沈めてスコアをイーブンパーに戻すと16番ホールからは4連続バーディーを奪取。11ホール目の2番ホールでティーショットを曲げ、3打目のアプローチを寄せ切れず、1・5メートルのパ―パットを外して痛恨のボギーを叩いた。 それでも4、6番ホールでスコアを二つ伸ばし、最終ホールでは3メートルのバーディーパットを迎えたのだった。

16ファンケルシニア2R0128「昨日はバーディーを取りたい、取りたいと思って打っていました。でも、今日は取れたらいいな~くらいの思いでパットに臨んだら前日とは違って入ってくれました。でも、最終ホールは流れが良かっただけに、(バーディーを)狙って打ちました」

 ボールはカップど真ん中から沈んで、この日9つ目のバーディーとなり、スコアは64。「レギュラーツアーのマンデートーナメントで63を出したことはありますが、本戦の試合では64が僕のベストスコアです。様々な巡り合わせが良かったんでしょうね」

 13年には持病の腰痛の回復手術を決断し、リハビリを続けて3年の月日が流れた。体調もスイングも復調の兆しを見せ始めている。朝、目覚めてからのストレッチは欠かしていない。通算6アンダー・1位タイ? 最終日最終組。久しぶりの優勝争い。

「気負ってプレーして、今まで良かった試しはありませんからね。今さら、直すこともないし、いつものようにゴルフをするだけです」

 果たして、寝て起きて、パットの調子はどちらになるのか。成績結果も大きく変わって来る。優勝で来たらいいな~くらいの思いが好結果をもたらすと冨永は心得ている。