台湾出身の汪徳昌が、4バーディー・ノーボギーの68をマークし、通算7アンダー・5位タイにジャンプアップした。首位とは3打差とし、優勝を十分狙える順位に着けた。
「今日はパットが良かった。3番パー3ホールで、15メートルほどの上りのフックラインが一発で入ってくれました」
そんな「ラッキーパット」もあったが、大会2日間36ホールでボギーを一つも打っていない。惜しまれるのは、第1ラウンドの16番パー4ホールで唯一ダブルボギーを打ったことだろう。
457ヤードの16番ホールは池越えの右ドッグレッグホールで、ティーショットの落とし場所によって2打目の距離が大きく違って来る。ショートカットのルートでは260ヤード以上のキャリーボールが必要。それに成功したならバーディーチャンスがアップするが、池に打ち込むとボギー必至。昨年大会3日間の平均ストローク数は4.218で難易度1位だ。
「第1ラウンドではアゲンストの風だったこともありますが、ドライバーショットを打って2打目地点に行ったら、ボールが池に捕まったことが分かり、ティーグラウンドに走って戻り、3打目を打ったこともあってダブルボギーになってしまいました。今日は会心のドライバーショットで池を越え、2打目は6番アイアンで打ってパーセーブしました」
前日のホールリベンジを果たし、安定したドライバー、アイアンショットそして得意のパットが冴え渡っての4アンダーだ。
このオフは、週4日は練習場で300球以上の打ち込みとラニング、筋力アップトレーニングを熟し、週3日はコースラウンドで体力アップとショット調整を行って昨年以上のコンディションで開幕戦を迎えた。15年の最終予選会4位でシニアツアー本格参戦し、出場13試合中、5試合でベスト10入り。賞金ランキング26位に入り、シード権を獲得しての“シニア2年目”選手。手応えは十分ある。
「去年は初めてプレーするコースばかりでしたが、今年はツアーの雰囲気にもコースにも慣れて来たので、不安もないし、去年以上に思い切りプレーが出来ています。明日は5アンダー以上のスコアをマークしたなら、逆転出来るかも知れません。ぜひ、日本でも優勝したいので目標スコアをマークできるように頑張ります」。
海外ツアーで通算21勝を挙げている汪が、日本での初優勝を飾るチャンスがついに巡って来た。強くそう思っているのは、汪自身だろう。
来週は、台湾でシニアトーナメントが開催されるが、この大会に出場する日本選手も数名参加する。「台湾にもいいニュースを届けたいですね。かっこいい、嬉しいニュースが、日台両国を元気にするよね」と、汪は笑顔をのぞかせた。