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シニアツアー

〔1R〕腰痛出術から3年。冨永は再シード入りを目指してエコスイングで臨む

2016年06月10日

「腰痛が治まって、ゴルフが出来ること自体が本当に嬉しい。試合でプレーしてワクワク感を覚えたり、緊張感を味わったりできるのは幸せですね」

 5バーディー・1ボギーの67・4アンダーで3位タイに名を連ねた冨永浩は、スコアカード提出後に満面の笑みを浮かべた。

 2013年の夏、意を決して腰痛の回復手術に踏み切った。11年に賞金ランキング15位でシード権を獲得したものの、極度の腰痛に見舞われ、ゴルフどころか日常生活にまで支障をきたす様になった。「椅子に座ることもできず、それこそ立っているか横になっているしか痛みを抑える姿勢がありませんでした。それでも、シード権確保のために無理して試合に出場しました。飛行機に乗ることもできないから、カミさんに車を運転してもらって、僕は助手席シートを倒して横になって寝たまま試合会場に向かったこともありました」

 結局、無理を押して試合出場し続けたが、シード権を手放す結果に終わったことで、冨永は手術を決断。それから3年近くのリハビリを経て、ようやく本来のスイングができるようになったのだ。

「練習した翌日、腰に痛みが出ることはなくなりましたが、張りがでることが時々あるので、練習量を少なくしています。球数は100球から150球くらい。腰に負担が掛かりにくくするため、体の動きを極力少なくし、ゆっくりスイングするようにしています。

 たとえば振り子は支点が止まっているからその先の重りが動きますよね。それと同じでゴルフスイングも円弧中心である体の動きが小さければ、体から最も遠い位置にあるクラブヘッドは大きく動くんです。

 この練習のお蔭でショットは安定し、体の負担は少ない。スイングだけでなく、ホールの攻め方も手前から、手前から攻めて行く謙虚なプレーが奏功しての4アンダーだと思います」

 スイングの無駄を省いた冨永流「エコスイング」で、スコアまでもエコにしての4アンダー・3位タイ発進。「謙虚な僕にはピッタリのゴルフ(スイング)」という冨永は、残り二日間もエコゴルフで臨む。