マークセンが、1、3、4番とバーディを獲って4アンダーとしたとき、まるで音もなく迫ってくる猛獣のような感じがした。やっぱり出てきたマークセン。5番でボギーを叩き、9番でバーディを撮り、4アンダーでターンしたとき、まだその時首位を走っていた奥田とは2打、3打と離れていた。それでも、マークセンの存在は不気味だった。ついこの間までレギュラーツアーで戦い、いまも戦っている。事実、この大会にでシニアデビューする直前まで、SMBCシンガポールオープン 、レオパレス21ミャンマーオープン、東建ホームメイトカップ、パナソニックオープン、中日クラウンズと戦っていたのである。
「正直なことを言うと、この大会に来る前は少し不安もありました。でも、レギュラーの時から知り合いの選手も多くいたし、会えば声もかけてくれた。それで気持ち的にもラクになったし、嬉しかったですね。そういう意味でも居心地はいいですし、面白くも感じています。次は頑張って優勝を目指します」と語っている。
マークセンが、後半に入って、11番、17番とバーディを奪って6アンダーでホールアウトした時点で、奥田は、逆に7アンダーから15、16番で連続ボギーを叩いて5アンダーとなっていた。その時点で、単独首位だった。尾崎直道が、最終ホールで見事にバーディを決めて6アンダーで並んだ。ふたりは、プレーオフを予想していた。後続組の結果を待っていた。
残念ながら、崎山の逆転イーグルで優勝は逃したけれど、恐るべしマークセンの実力を見せつけられた。「ショットはちょっと思い通りには打てなかったが、今週は何とかパターでスコアを作っていくことができました。自分は精一杯やったけれども、優勝には届かなかったですね。優勝した崎山選手を祝福したいし、次は自分がもっと頑張る番ですね」というマークセンは、再来週の全米プロシニアに初挑戦する。