溝口英二の今季のゴルフは、どこか達観しているように見える。細かい事にこだわらず,物事の本質を見通し、視野をできるだけ広く見ようとようとしている。「今日も3パットがなかったんですよ。昨日から。途中で、3パットしないゴルフをしようなんて目標にしちゃったりして、まあ、(上位争いは)手探りの状態ですけど、3パットしなければ、流れが悪くならないと思っているので、そうやってプレーしていたら、7番で5メートル、10番でも5メートル。あ、13番も同じくらいの距離でしたが、バーディがとれました。唯一のボギーは、15番ですが、ティショットを左バンカーに入れて、見たらアゴだったので、横に出すだけ。納得のボギーですね。どこか諦めというか、ミスしたり、しまったと思ったときに、自分でどう受け止めるかだと思うんです。去年は、そういう失敗を繰り返していました」
去年が、シニアルーキーの年だった。ところが「俺、何やっているのだろう」というゴルフだったという。それで「今年は、自分らしく、すべて受け入れてゴルフをやろう」という気持ちに変えた。
溝口の諦めるは、本来の意味である「明らかに見る」という心境に変化したのである。
「優勝したいというよりも、いまの本音は、優勝争いをしたい、なんですね。勝ちたいと言う前に、その緊張感の中でプレーして、自分が、どういうゴルフができるか知りたいし、試したい」と語る。
最終日、最終組でプレーする溝口。もちろんシニアツアーでは、初めての体験である。溝口が、その緊張感をいい意味で楽しめるかどうか注目したい。