首位の溝口英二とは、2打差の2位タイにつけた。「(最終日は)追われるよりは、追うほうがあってる」と加瀬が言った。3、11、13番と3つのバーディ。けれども「ショットは、良かったですよ。ドライバーも昨日の感覚がずと続いていたし……。(トップとの)2打差は、ちょうどいいと思いたいですね」という加瀬は、18番、パー5で唯一のボギーを叩いた。
574ヤード、パー5。飛ばし屋の加瀬にとっては、バーディチャンスの確率が高いパー5だ。イーグルチャンスもある。当然、加瀬は、狙った。残りエッジまで223ヤード。ピンの位置は、右から11ヤード、手前から19ヤード。第2打地点から、242ヤード。「クリークにしようか、スプーンにしようか、ちょっと迷ったんですよ。で、スプーンでカットしてフェードボールで狙おうと思ったんです。僕のスプーンは、スライスさせないと、かなり捕まっちゃうので、捕まりすぎると当然左目。そしたら案の定、捕まっちゃって……まさか、池があるなんて(笑い)」と苦笑い。
池があることは、当然知っているはずだ。横長のグリーンの半分以上占めている手前の池。それを気にすることなく打てるだけ、むしろ好調ということだと思う。
奇しくも、首位を走る溝口英二を追う崎山、加瀬、奥田は「5963ズ(ご苦労さんず)」の主力メンバーたちでもある。シニアツアーを盛り上げようと結成したバンドだ。プロ・アマ戦の表彰式の余興として、この1年ほど活躍している。そんなオンとオフの時間を共有することで、ゴルフもリフレッシュして好調なのかもしれない。
加瀬の優勝は、2014年ISPS・HANDA CUP・フィランスロピーシニアだ。それ以来勝ち星がない。
今年、念願の相性の合うドライバーと巡りあえて、是非とも、優勝したいという強い気持ちがある。