NEWS
シニアツアー

〔第1ラウンド〕2位と好発進の奥田「ゴルフを立て直して、コツコツとやる」

2016年05月13日

奥田靖己は、スタート前から「シュン」としてたと語った。気合が入らないどころか、前向きな戦闘態勢になっていなかった。心が、どこか締りのない感じだったのだろう。「こういうときは丁寧に」という気持ちがむしろ災いになって、スタートホールでいきなり3パットのボギー。普通ならば、ここで今日は、ダメな日、何をやってもダメな日になるという悲観的なゲームをしがちである。

奥田は、そんなときに自分のゴルフ、メンタルを立て直す、いや通常に戻る場所を持っている。ですよね? と聞いたら「戻るところがいくつかあるんです。でも、今日は、その幾つか戻るところではなく、別の戻る場所に戻ってやってみたんです。それが、今日は、とりあえずうまく行ったということだと思います」

1番ボギーのあと、6、8、9番でバーディ。そしてインに入っても、13、18番でバーディ。気がつけば4アンダー、首位の溝口と1打差の2位で初日を終えた。

戻る心構えを聞いた。「無理をしない。いまの自分ができることを、着実にやっていく。つまり2オンできなくても、無理をしない。まあ、届かない距離ではないので、コツコツと、やっていこうという決心ですね」と言った。いまある自分のそれ以上でも、それ以下でもない自分。ありのままの自分ができることと愚直にやって行くということが、バーディに繋がったのだというのだ。

ドライバーが格別によかったわけではない。むしろ悶々としているさなかである。「去年から、2回ドライバーを割って、今、エースドライバーがないんです。今のはセカンドのさらにセカンドドライバーなので。ニューモデルも試してみるけど、なかなかしっくりこない。ドライバーがしっくりこないとゴルフがつまらないですよね」という有様だし「パッティングが特別良いわけでもないんです。2日間の練習ラウンドで、バーディが2つだもの」それでも、4アンダーで収められたという奥田のゴルフの引き出しやメンタル面の幅を感じさせる1日だった。

「まあ、気合の入りすぎも良くないので、コツコツとやりますよ」と話す奥田の不気味な存在を感じた。