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シニアツアー

【最終ラウンド】早いシニア2勝目に、秋葉も喜びが2倍に・・・!

2016年04月23日

スコアが、目まぐるしく変わる。スタートホールから、ピンの位置が難しい。上位陣の飯合肇、加瀬秀樹、盧 建 順がボギースタート。白石達哉も、なんとかパーで切り抜けたが、4番ホールで、痛恨のトリプルボギー。波乱の前半9ホールの幕開けだった。

最終組が足踏みしている隙を狙って秋葉真一が飛び出した。3番ホールから、5連続バーディで一気に、4アンダーから9アンダーへのし上がる。さらに、同じ4アンダーでスタートした奥田靖己も、2バーディ、8番ホールのイーグルでアウトを32として8アンダー、飯合も1番ボギーのあと4バーディ。溝口英二も、3バーディの33で8アンダーで折り返した。

秋葉は「10アンダーまでいけば、ひょっとしたら勝てるかもしれない。10アンダーで負けたら仕方ない」と思ったのは、12、13番でバーディをもぎ取り、言葉通り10アンダーになったときだった。ところが、そうなるとついついそのスコアを守ろうとする。15番ホールで、ピンがいちばん奥に切ってあったところで「ついつい無意識に逃げていたら、倉本さんから、逃げるなよ! と、あとで声をかけられて、あ、そうだな、逃げたらいけないと気持ちを引き締めました」と言う。さらに、17番で7番アイアンで攻めたショットが、ほぼOKバーディ。11アンダー。そのとき奥田はすでに18番をボギーとして8アンダーでホールアウト。プレー中の選手の中では、溝口英二が9アンダー。加瀬秀樹が8アンダー。秋葉が、18番ホールでボギーを叩き10アンダーでホールアウト。ところが溝口が、17番ホールで、ダブルボギーを叩き7アンダー。あとは、加瀬秀樹の残り2ホールの行方を待つだけだった。

秋葉がホールアウトすると、選手仲間から「おめでとう」と声をかけられた。「いや、まだわからないですよ」と言いながらも「不思議な気持ちで、ありがとうと言っていました(笑い)」と照れ笑いをしていた。

加瀬が、17番をパー。そして18番をバーディとし9アンダーまで伸ばしたが、1打差で秋葉のシニアツアー2勝目、今大会初代チャンピオンが決まった。

圧巻だった5連続バーディ。そのほとんどが1ピン距離(4メートル前後)を沈めてのバーディだった。

「自分では、5連続バーディなんて経験は初めてですよ。バーディ、バーディときたときは、あれ、今日は調子いいな。もう少しいけるかも……とは思っていましたが、驚きですね。ともかく、キャディさん(ハウスキャディ)に言われたとおり2日間、打ったんです。ほぼその通りでしたね」という。それにもう一つ、理由がある。「昨日のラウンドが終わって、練習グリーンで練習していたときに、崎山武志さんから「少しカカト体重になっている」と指摘されたんですね」とアドバイスを受けた。カカト側に重心が行くと、引っ掛け気味になりやすい。しかも、目線がボールの真上から、少し外れてしまいがちだ。「それを治したら、いい感じでストロークができるようになったんです」という。

秋葉の優勝は、昨年11月の「ISPS・HANDA CUP・フィランスロピーシニア」である。シーズンオフを挟んで、これが初優勝から3試合目の優勝となった。オフには、インナーマッスルを鍛えるトレーニングや走り込みをした。

「自分でやれる範囲でトレーニングしているんですよ。それにしてもまさか、こんなに早く2勝目の優勝ができるなんて……。実は、私事ですが、再婚した妻(利枝さん)との間に子供が生まれるんですよ。一応予定日は、明日になっているんですけど(笑い)」と嬉しそうに語った。今シーズンのシニアツアーは、この秋葉真一の存在を見逃せない。