うねるような複雑なアンジュレーションのあるグリーンでは、ピンを切る位置によって難易度に大きな格差がある。昇ってコブを超えたあと下りになるその途中に切ってあれば、距離感が物凄く難しいし、しかもそのピンの位置が、奥のエッジに近ければ、打ちすぎればグリーンをオーバーしてしまう。よくカールーフグリーン(車の屋根ほどの広さ)と呼ばれるのは、落とし所がそのスペースしか無いということだ。
最終日のピンの位置は、そんなカールーフに切ってあるホールがかなりあった。
加瀬秀樹は、初日のホールアウト後「ドライバー振ってもコースは広めだし、数か所気をつけていればという感じかな。ただ、グリーンは大きく傾斜も強いので、乗せればいいというわけではないからね。グリーンの形状を覚えていないから、とりあえず1ピンくらいにおいて・・・」と言っていたけれど、最終日は、とりあえずというわけには行かなかった。ショットが良かった前日には違って「ショットもそこそこ曲がってしまっていた」から、余計にパッティングに苦しんだ1日だった。
出だし1番でボギー。すかさず2番でバーディとしたものの、5番、パー5でバーディを奪っただけで前半が終わってしまった。スコアをグイグイ縮めてくる選手が多い中、苦しい展開となって、どうしても後半は無理に攻めを強いられる情況となったのである。
ところが11番でバーディとしたものの12番でボギー、そして13番でバーディと波に乗れない。14番からは、8アンダーのままスコアが動かない。あとひとつが、その14番~17番までの4ホールで獲れていたら流れが変わったかもしれない。先にホールアウトした秋葉真一が、10アンダーと知って、残り2ホール。17番をパー。それでも最終ホールでバーディとし1打差の2位としたのは、加瀬秀樹の意地、プライドだったのだろう。
「パターのミスが多かったですね。あれで勝ってたらおかしいですよ。(最後のバーディは)次回の自分に期待ですね!箱根を楽しめましたし、パターが良い課題になりました。ちゃんと考えて次回に生かしたいですね」と加瀬は語った。