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〔Report/1R〕歴代チャンピオン麻田が首位2打差で優勝圏内に

2021年10月21日
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 アウトコースからスタートした第6組目の麻田隆司がスコアカードを提出するまで、スコア集計所にはオーバーパーのスコアカードしかなかった。その数43枚。44人の選手がホールアウトし、イーブンパーで回り切った選手は麻田ひとり。「えっ、僕がどうして取材されるんですか?」。驚きの表情を浮かべた。ホールアウト選手の中でのトップスコア、クラブハウスリーダーなのだから、当然だろう。

 この日の天候は晴れ。気温13度。風速5メートルの北西の風が吹き続けた。パー72に対し、平均スコアは76・550。4オーバーがイーブンパーに匹敵するほど、難しいコースコンディションだった。

 麻田は8番パー3ホールでボギーを先行させたものの、10番パー4ホールで距離1メートルのバーディーパットを着実に沈めて、スコアをイーブンパーに戻した。残り8ホールをすべてパーに収め、1バーディー・1ボギー72でフィニッシュしたのだ。「最初にボギーを打ってしまいましたが、アゲンストの風向きだったので強めにショットしたら、カップをオーバーし、奥からのアプローチショットを寄せ切れませんでした。今日は、パットが良くなかったです。2メートル前後のバーディーパットを4回も入れ損ねました(苦笑)。バーディーが一個。1メートルの距離でしたからね」。

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 風が呼吸しているように強く吹いたり、弱く吹いたりすることで距離感を出すのが至難の中、麻田は見事に回り切った感がある。「月曜日から3日続けて練習ラウンドさせて頂きましたが、今日の本戦ラウンドが一番内容もスコアも良かったです。優勝したい!一心でこの大会に臨んでいます」。

 2016年大会覇者として翌17年には沖縄県で2度目の開催となった日本プロゴルフ選手権に出場した。予選通過は果せなかったが、同組でラウンドした選手に刺激を受けた。星野陸也と小田龍一。いずれもツアー界屈指の飛ばし屋だ。「僕のドライバーショットと彼らの3番ウッドの飛距離が同じくらい。ですから、2打目は常にオナーでした。楽しい2日間でした。もう一度、日本プロに出場したい。その思いが募るばかりなんです」。夢実現に向け、好位置に着けた。首位と2打差。明日の最終日は、逆転でその夢をつかみ取る。